マンションのスケルトンリフォームでは、専有部(一室)の構造躯体、屋根外壁を残し、内部をリフォームできます。築20年以上経った建物でも、新しい設備や間取りを取り入れた新築同様の住まいにすることが可能です。
同じマンションの他の部屋とは異なり、あなたにとっての暮らしやすさ、快適さを追求できると多くの人から注目されています。事前に気をつけるべきポイントなど、重要な情報を把握しておけば満足のいくリフォームが可能です。
しかし、スケルトンリフォームは何回も経験することではないため、情報収集に困っている方もいるのではないでしょうか。
- マンションのスケルトンリフォームの注意点を知りたい
- マンションのスケルトンリフォームのメリット・デメリットを知りたい
- マンションのスケルトンリフォームの実際の事例が知りたい
など、上記のような情報を求めている方も多いはず。
そこで本記事では、マンションのスケルトンリフォームの事例や費用、メリット・デメリット、注意点を網羅的に解説します。これからマンションをリフォームして理想の住まいにする方にはピッタリの記事となっているでしょう。
スケルトンリフォームとは何か?詳しい情報を知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しているのであわせて読んでみてください。
マンションのスケルトンリフォームでできること
スケルトンリフォームを行うには、内装や設備を全て撤去し、骨格のみの状態にする必要があります。そのため、スケルトンリフォームは戸建て限定であり、マンションではできないと勘違いされている方も少なくありません。
しかし、リフォームの範囲は限定されるものの、マンションでもスケルトンリフォームは可能です。一般的にマンションのスケルトンリフォームでできることとしては、以下の3つが挙げられます。
- 間取り・内装・設備の一新
- バリアフリーへの改修
- 住宅性能の向上
マンションのスケルトンリフォームでは、ライフスタイルに合わせて、間取り・内装・設備をある程度自由に変えられます。キッチンや浴槽を好きな位置に変えられるため、現状の住まいよりも暮らしやすい居住空間を実現可能です。
また、床の段差をなくしたり、車椅子が通れるように廊下を広くしたりなど、将来を見据えたリフォームにも対応できます。部分リフォームでは難しい家全体のバリアフリー化ができるのは、スケルトンリフォームならではのメリットです。
さらに、スケルトンリフォームは、住宅性能を向上させる絶好の機会です。断熱性能を高めたり、音楽が趣味の方であれば防音・遮音性を向上させて音楽室を作ることもできます。
マンションのスケルトンリフォームをすることで、より快適で暮らしやすい住まいにできるでしょう。
マンションのスケルトンリフォームにかかる費用
続いて、マンションのスケルトンリフォームにはどのような費用がかかるのかをみていきましょう。一般的に、マンションの場合は以下の費用がかかります。
- 解体撤去費用(解体費・廃材の処分費用)
- 補強工事費用(構造躯体や基礎の強度が落ちている場合にかかる費用)
- 設備の価格(新しい内装材やキッチン・トイレなどの設備費用)
- 設備の工事費用(設備の取り付け費用)
- 諸費用(工事車両の駐車場代、高層階への荷上げ費など)
設備の価格は、あなたがどこまでこだわりたいのかによって変わるため、予算と相談しながら決めるようにしましょう。
また、上記の費用以外にも、中古マンションを購入してスケルトンリフォームを行った場合は税金にも注意が必要です。印紙税の他に不動産取得税や固定資産税・都市計画税・不動産登記情報のための登録免許税がかかります。
スケルトンリフォームの費用についてより詳しく知りたい人は、以下の記事で解説していますので、参考までにどうぞ。
マンションのスケルトンリフォームの事例
実際のマンションのスケルトンリフォームの事例を見ていきましょう。今回、紹介するのは以下の3つの事例です。
- 事例①【1,285万/築23年/東京都】
- 事例②【1,865万/築27年/東京都】
- 事例③【1,470万/築26年/東京都】
- 事例④【1,774万/築13年/千葉県】
- 事例⑤【1,434万/築40年/東京都】
良いと思ったものは取り入れて、満足のいくスケルトンリフォームを行えるようにしましょう。
事例①【1,285万/築23年/東京都】
以前の住まいが手狭になったため、スケルトンリフォームを行った事例です。配管等の制約で水回りの位置を変更できない中、回遊動線と収納の工夫によって快適な空間を実現しています。
LDKは、もともとあったキッチンの壁を取り払うことで開放的な空間に。ガラスブロックや欄間も取り入れ、日の光が十分に差し込むようになっています。
また、断熱リフォームを行い、夏涼しく冬は暖かい健康的な住まいを実現。光熱費も抑えられることも魅力的なポイントです。
事例②【1,865万/築27年/東京都】
仕事場兼アトリエとして利用している住まいを自分のライフスタイルのあった住まいに変えたいとスケルトンリフォームを行った事例です。リビングはモノトーンで統一し、照明を工夫することで天井の高さと広がりを演出しています。
書棚は使い勝手にこだわったオーダーメイド品。大容量でたくさんの蔵書を収納できます。書棚の前の天井には100インチのスクリーンを設置し、大画面シアターでプライベートを満喫できます。
他にも、ミュージックルームやシャワーブースなど、自由な間取りにできるスケルトンリフォームの良さを活かした住まいです。
事例③【1,470万/築26年/東京都】
ご両親が住んでいたマンションへの引越しが決まり、スケルトンリフォームを行った事例です。住宅展示場に足を運び、取り入れたいアイデアを採用した住まいになっています。
玄関には、魅せる家具として鏡台を設置。ナチュラルな木質感が美しく映えるおしゃれな玄関スペースとなっています。
LDKはもともと分離していたリビングとダイニングキッチンをつなげて、広々とした大空間に。回遊できるアイランドキッチンを取り入れることで使い勝手の良いスペースになっています。
納戸だったスペースは書斎に変更。オープン棚とブルーのクロスの配色効果で心地よい空間を実現。作業に集中できるスペースになっています。
事例④【1,774万/築13年/千葉県】
スケルトンリフォームによって、「ホテルで過ごすような寛ぎ」と「リモートワークへの対応」を両立させた事例です。LDKは、元々和室であったところの壁をなくし、ひとつながりの大空間にしています。
落ち着いた色の床材をベースに、建具やキッチンはダークな色合いで統一することでホテルライクな空間を実現。照明にもこだわり、洗練されたデザインとなっています。
また、和室にあった押し入れを洋風に改装し、一部をワークスペースに。引き戸がついているため個室にもでき、仕事にも集中できるようになっています。
事例⑤【1,434万/築40年/東京都】
水まわりの位置を大幅に変更し、作業動線を効率化させた事例です。スケルトンリフォームのテーマは「調和」。時間の変化を楽しめるよう照明を最小限にし、動線をシンプルにすることで家族が自然に集える空間にしています。
元々手狭だったキッチンは、調理スペースに余裕のある2,700のI型キッチンを配置。用途の違う4つの収納を用意しており、コンパクトながらも収納量たっぷりです。
また、バスルームの位置を変えて水まわりを集中させることで家事効率を大幅にアップ。シンプルな空間ながら、快適性の高い住まいとなっています。
ここまで解説したスケルトンリフォームの事例以外にも、様々な事例があります。それぞれのビフォーアフターも紹介していますので、他の事例が気になる方は以下の記事をどうぞ。
金額別のスケルトンリフォーム事例が知りたい人は、以下の記事で紹介しています。すでにご予算が決まっている方は、以下の記事も参考にしてみてください。
マンションのスケルトンリフォームのメリット
ここからは、マンションのスケルトンリフォームのメリットを紹介します。代表的なメリットは以下の3つです。
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
メリット1:自由度の高い間取り変更ができる
1つ目のメリットは、自由度の高い間取り変更ができることです。マンションのスケルトンリフォームでは、注文住宅を設計するような自由度の高い間取り変更ができます。
LDKを広々とした大空間にしたり、最近人気のアイランド型のキッチンを採用したりとあなたのこだわりを実現可能です。建物の形状による制限はあるものの、ワンフロアをあなたの思い通りにできます。平屋を作るような感覚で間取りを考えてみましょう。
また、シャワーブースを作るなど、一般的なマンションでは取り入れられていないホテルのようなデザインも可能です。叶えたいこだわりがある人は、リフォーム会社に相談してみましょう。
メリット2:住宅性能を上げられる
2つ目のメリットは、住宅性能をあげられることです。スケルトンリフォームでは、壁を全て取り払いコンクリートの地肌が見えるところまで解体・撤去します。
そのため、高性能な断熱材を採用したり、遮音性の向上が可能です。マンションでは、すぐ近くに他の住人が住んでいるため、遮音性を向上できることは大きなメリットになります。
また、断熱性を向上させることで室内温度の差を少なくし、健康面に配慮した住まいの実現が可能です。断熱性を上げることで、エアコンの効率化によって光熱費が抑えられることも大きなメリットといえるでしょう。
メリット3:劣化した配管を新しくできる
3つ目のメリットは、劣化した配管を新しくできることです。スケルトンリフォームでは、上記でも述べたようにコンクリートの地肌が見えるところまで解体・撤去します。
そのため、普段は見れない排水管や電気配線の問題を発見し、修繕や交換が可能です。配管の劣化や痛みは、問題発生時に生活に支障が出たり、階下の部屋に多大な迷惑が掛かる恐れがあります。
また、電気配線は分電盤も含めて、劣化が考えられるため注意が必要です。劣化している場合には火災の原因にもなります。
スケルトンリフォームをすることで問題がある場合には新しいものに変更し、家の耐久性を向上させることが可能です。
マンションのスケルトンリフォームのデメリット
マンションのスケルトンリフォームのデメリットを紹介します。デメリットは以下の2つです。
マンションをスケルトンリフォームする際には、デメリットを理解しておくことがとても重要になります。必ず事前に確認してください。
デメリット1:マンションの構造によって制限がかかる
1つ目のデメリットは、マンションの構造によって制限がかかることです。『壁式構造』のマンションの場合には、間取りの変更に制限がかかってしまいます。なぜなら、耐力壁という耐震上の関係で壊せない壁があることにより制限がかかってしまうためです。
新しく中古マンションを購入してスケルトンリフォームを予定している方は特に注意しましょう。
壁式構造は5階以下のマンションに多い傾向があります。工事を始めた後に制限がかかって希望の間取りにできなかったということがないように、事前に確認しておきましょう。
デメリット2:マンションによって規制がある
2つ目のデメリットは、マンションによって規制があることです。マンションによって、規約でリフォームの範囲や使える素材に制限を設けている場合があります。
フローリングの変更や躯体への壁打ち・穴開けを禁止している場合があるため、事前に管理規約や契約書の内容を確認しておきましょう。また、管理組合への工事前申請が必要な場合もあります。わからない場合はマンションの運営先に問い合わせてみましょう。
違反すると原状回復をしなければならず、リフォームにかかったお金が無駄になってしまうこともあります。のちの後悔を避けるためにも必ず確認してください。
スケルトンリフォームのデメリットについて以下の記事ではより深ぼって解説しています。より詳しく知りたい方は、以下の記事をどうぞ。
マンションのスケルトンリフォームをする際の3つの注意点
マンションのスケルトンリフォームを行う際の注意点を紹介します。意識すべきポイントは以下の3つです。
それぞれ以下でわかりやすく解説していきます。注意点を抑えることで、スケルトンリフォームの成功率を上げられるため必ず事前に確認してください。
注意点1:近隣への配慮が必要
1つ目の注意点は、近隣への配慮が必要になることです。マンションは世帯ごとの距離が近く、騒音によるトラブルを避けるためにも、近隣への周知が必須になります。工事を行う時間にも配慮しておくことがおすすめです。
挨拶回りは、一緒に行ってくれる会社も多いため、心配な方は相談してみましょう。
また、工事車両の駐車場を用意するなどの手配も必要になります。事前に依頼する会社にどのような準備が必要か確認しておきましょう。
注意点2:工期が長引くことがある
2つ目の注意点は、工期が長引くことがあることです。スケルトンリフォームは解体してからでないとわからない部分が多く、工期が長引く可能性が大いにあります。
解体してみて想像以上に老朽化が進んでいた場合には追加の補強工事が必要です。その分、工期が伸びます。材料の遅延による工期の遅れが発生することもあるため、予定よりも時間がかかると思っておきましょう。
また、工事中の仮住まいの準備も必要になります。会社によっては仮住まいの手配をサポートしてくれるため、相談してみましょう。
注意点3:共用部分のリフォームはできない
3つ目の注意点は、共用部分のリフォームはできないことです。マンションでは、共用部分にあたる階段や廊下、外壁などのリフォームはできません。他にも、玄関ドアやベランダ、電気の容量なども変更できないため注意が必要です。
規約違反をすると原状回復を求められるケースもあります。その場合、リフォームと原状回復にかかったお金が無駄になってしまうため注意してください。
必ず事前に規約等を確認し、トラブルのないようにしましょう。
スケルトンリフォームを行って後悔してしまう人もいます。後悔してしまうことを以下の記事でまとめていますので、リフォーム実施前に確認しておくことをおすすめします。
スケルトンリフォームをするならリノベーションハイムがおすすめ
スケルトンリフォームをするならリノベーションハイムがおすすめです。リノベーションハイムは一般住宅のリフォームを行っており、50年以上の歴史と豊富な経験を誇っています。
セキスイハイムグループのひとつで、約55万棟の実績から得たノウハウを活かし、顧客に最適なリフォームを提案してくれる会社です。
『すまい健康診断』という建物ごとに必要な項目を点検・確認してくれるなど、充実したサービスが整っています。耐震性や断熱性の診断もできるため、あなたの要望に合わせたリフォームが可能です。
まとめ
本記事では、マンションのスケルトンリフォームの事例やメリット・デメリット、注意点を網羅的に解説しました。マンションのスケルトンリフォームは、ワンフロアをあなたの自由にできるため、特別感のある住まいを実現できます。
シアタールームやミュージックルームなど、ホテルのような部屋も実現可能です。しかし、マンションの構造や規約によって規制がかかるということだけは忘れないようにしましょう。
本記事で解説した内容を意識しながら、スケルトンリフォームを行ってみてください。この記事があなたに助力できれば幸いです。