古民家のスケルトンリフォームの参考例を紹介!費用相場や注意点なども解説

近年、古民家の古さを活かしておしゃれなデザインにしたり、機能性を向上させて、活用する古民家リフォームが注目されています。

しかし、古民家にはどんなリフォームが必要なのか、どんな活用方法があるのかと疑問に思っている方もいるでしょう。

古民家リフォームにはスケルトンリフォームがおすすめです。スケルトンリフォームとは、既存住宅の骨組みを残し、それ以外をリフォームする、大規模なリフォームのことです。フルリフォームとも言われています。

本記事では、古民家のスケルトンリフォームの費用相場や参考事例、注意点などを解説していきます。古民家を活用しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

古民家リフォームとは

実家に住み替えたり、近年は古民家の魅力を再確認し、地方への移住が増えたことから、古民家リフォームが注目されています。

古民家リフォームとは、古民家の良さを残しつつ、現在のライフスタイルに合った設備や間取りに整えるリフォームです。古民家とは、一般的に築50年以上経過した建物を指し、茅葺屋根や草葺屋根、日本瓦葺屋根、土間、太い梁などが特徴として挙げられます。

ただ、古民家を活用する際は、快適に住むために、建物の構造面や機能面を改善する必要があります。そのため、古民家を活用する際はスケルトンリフォームが最適です。

スケルトンリフォームについては以下で詳しく紹介していきます。

古民家をスケルトンリフォームするメリット・デメリット

スケルトンリフォームは大規模な工事となるため、一度始めると引き返せません。そのため、スケルトンリフォームのメリットとデメリットの両方を理解し、納得してからプランを進めていきましょう。

以下では古民家をスケルトンリフォームするメリット・デメリットを紹介します。また、スケルトンリフォームに向いていない古民家もあります。下記で詳しく解説していくので、参考にしてみてください。

古民家をスケルトンリフォームするメリット

スケルトンリフォームの大きなメリットは、ライフスタイルに合わせた工事ができ、建て替えと比べて費用が安いことです。表面的な部分だけでなく、給排水管や配線など、目に見えない部分の設備も一新できます。

古民家をスケルトンリフォームするメリットは以下6つ挙げられます。

  • 自由度が高い
  • 費用が抑えられる
  • 住宅設備や配管、配線を一新できる
  • 水回りの位置を変更できる
  • 住宅性能を向上できる
  • 新築同様の住まいにできる

スケルトンリフォームでは断熱材を追加したり、耐震ダンパーを設置したりなど、住宅の見えない部分を補強し、より住みやすい家にできます。

古い内装も一新できるため、家の面影を残しつつ、今の自分たちのライフスタイルに最適な住み心地に変えられるのもメリットです。

再建築不可物件は建て替えられませんが、生活空間をきれいな状態にしたいなどの要望が叶えられるのもスケルトンリフォームの魅力です。

古民家をスケルトンリフォームするデメリット

古民家のスケルトンリフォームは、工事範囲が大きくなりやすい傾向にあります。そのため、住宅の大きさや状態、周辺環境によって工事内容や工事期間が左右されるのが大きなデメリットです。

そして、工事中は仮住まいの家賃も必要です。他にも、以下のようなデメリットがあります。

  • 費用の負担が大きくなる可能性がある
  • 住宅の大きさや状態、周辺環境によって工事内容が左右される
  • 打ち合わせの数が多い
  • 工期が長い
  • 一時的な引っ越しが必要

古民家のスケルトンリフォームは、建物の状況をチェックし、プランを立ててから工事が始まるため、工期が長いことがデメリットです。

また、構造だけを残したリフォームを行うため、一時的な引っ越しも必要です。新築を建てるくらいの期間をみておきましょう。

間取りやコンセントの位置、窓の位置や形状、高さまであらゆる箇所のプランを立てていかないといけません。そのため、打ち合わせの数が多いのもデメリットとして挙げられます。

メリット・デメリットを把握し、スケルトンリフォームの計画を進めましょう。

スケルトンリフォームに向いていない古民家がある

スケルトンリフォームでは既存建物の骨組みを利用するため、骨組みの状態や構造によっては、工事内容に制限がかかる場合もあります。スケルトンリフォームに向かない戸建て物件は以下のものです。

  • 骨組みの状態が悪い建物
  • 壁を抜けない構造の建物

築年数が経っている建物は、柱や梁などの木部にシロアリが発生し、被害に遭っている可能性もあります。柱や梁、基礎部分に腐食や劣化がある場合、修繕よりも建て替えが最適な可能性が高いです。

骨組みの劣化は表面を見ただけでは分かりにくく、建物状況調査(インスペクション)をすることで、解体前にある程度骨組みの状況が把握できます。

また、戸建て住宅の構造にも枠組工法とツーバイフォー工法、大きく分けて2つの工法があります。間取りの変更がしやすいのは枠組工法です。

ツーバイフォー工法は構造上、建築後に壁を撤去することが難しいため、間取りの変更が制限されてしまいます。

古民家スケルトンリフォームの費用相場

古民家のスケルトンリフォームは、建物の状態によって費用が異なるため、一概には言えません。費用相場としては、約700〜3,000万円です。

費用相場はあくまで目安であり、古民家の状況やリフォーム内容によって異なります。柱は梁などの構造物が劣化していたり、素材やデザイン、設備にこだわると費用が高くなるため、予算を考慮しながら考えましょう。

古民家のスケルトンリフォームの参考例3選

古民家リフォームの参考例を以下3つ紹介します。

  1. 築80年の良さを活かし、新しい暮らし方に対応した空間
  2. 匠の技が生きる、新しい家の佇まい
  3. 築45年の家が、家族の暮らしに合った住まいに変身

それぞれ下記で紹介していきます。

①築80年の良さを活かし、新しい暮らし方に対応した空間

項目詳細
間取り7DK→6LDK
リフォーム箇所LDK/洗面/浴室/トイレ/玄関/洋室/ウッドデッキ/サッシ/屋根/広縁/外壁
施工費用1,790万円

こちらの住まいは築80年の自宅の良さを活かしつつ、広いウッドデッキを設け、新しい暮らし方に対応した空間にリフォームされています。

ダイニングキッチンや水回り設備を中心にリフォームを行い、防犯面を考え検眼ドアを交換し、耐震性を考え屋根を軽量瓦に吹き替えています。

ダイニングキッチンは和室、廊下、洋室の一部をつなげ、明るく開放感あふれるLDKに。さらに、LDKにウッドデッキをつなげて、部屋の広がりが演出されています。

広縁の窓は断熱性にすぐれたサッシとペアガラスを採用し、夏は涼しく、冬は暖かい空間になっています。

②匠の技が生きる、新しい家の佇まい

項目詳細
建物構造木造枠組
工期3カ月
施工費用2,416万円

こちらは築40年の住まいに匠の技が生き、新しい家の佇まいが演出されています。耐震診断を行い、建物補強の必要有無を判断し、断熱性能などの住宅性能の向上も考慮されたリフォームです。

間取り的には、凝った造りの建具や和室の設えなどは活かしつつ、水回りとLDKを一新。依頼主の介護経験も踏まえ、トイレと洗面の動線や段差の解消など老後を考えた、暮らしやすさが考えられています。

和の素材を活かしつつ、ダークな色調に塗り替えたアジアンテイストの空間がとても魅力的です。

③築45年の家が、家族の暮らしに合った住まいに変身

項目詳細
建物構造木造枠組
工期5カ月
施工費用2,940万円

こちらは、祖父母から受け継いだ45年前の住まいが、現代かつ家族の暮らしにあった住まいに変身しています。住まいの構造や断熱性、防湿性などの住宅性能を考慮しつつ、お子様が開放的かつ安全に遊べる間取りへと大胆に変更されています。

空間を効率的に活用する収納や書斎スペース、抜くことができない柱の有効活用などたくさんのアイデアを駆使し、すっきりとした暮らしやすい住まいになっています。

古民家のスケルトンリフォームで費用を抑える4つの方法

スケルトンリフォームで費用を抑える方法を以下4つ紹介します。

  1. 間取りを変更しない
  2. 設備のグレードを下げる
  3. 優先順位を付ける
  4. 補助金や減税制度を利用する

それぞれ下記で解説していきます。

①間取りを変更しない

間取りを大幅に変更すると、工事費用が高額になってしまいます。スケルトンリフォームでは既存の間取りに変更を加えないことが費用を抑える大きなポイントです。

間取り変更をする場合、高額になるのは水回りです。水回りは配管と電気系統の工事も必要なので、費用がかかってしまいます。

費用を抑えて、間取り変更をしたい場合は、なるべく水回りを避けると良いでしょう。

②設備のグレードを下げる

キッチンやユニットバスを新調する場合、グレードに要注意です。住宅設備のグレードは工事費用に大きく影響します。最新モデルは高額なので、古いモデルのものを取り入れると費用を抑えられます。

設備のグレードは必要な機能をピックアップしておくことがポイントです。譲れない、妥協できないポイントを出しておくと、設備が選びやすくなります。

③優先順位を付ける

スケルトンリフォームは大規模なリフォームです。施工業者と打ち合わせを行っている間に提案をたくさん受けます。

すると、リフォームしたいと決めていた内容も、施工業者の話を聞くと決心が揺らいだり、このままで良いのか不安になってしまいます。

提案されたことすべてを取り入れてしまうと、工事費用が高額になるため要注意です。決心が揺らいだ時のために、指標となるものや、優先順位を決めておきましょう。

●相談前に考えておくこと

  • 絶対にしたいリフォーム
  • 予算
  • 優先順位の低いリフォーム

上記を考えておくことで、必要な工事をきちんと判断できます。

④補助金や減税制度を利用する

古民家をリフォームする際に、利用できる補助金や減税制度がたくさんあります。国が推進する住宅政策は既存の建物を改修・修繕し、継続的に使えるような住宅リフォームへの支援を積極的に行っています。

また、多くの自治体が耐震性や省エネ性能の向上を目的とした事業に取り組んでおり、リフォームには補助金や減税制度を利用できる場合が多いです。

古民家のスケルトンリフォームで使える補助金や減税制度には以下が挙げられます。

  • 耐震リフォーム
  • 省エネリフォーム
  • 介護・バリアフリーリフォーム最大18万円
  • 先進窓リノベ事業
  • 給湯省エネ事業
  • 住宅耐震改修特別控除最大250万円
  • リフォーム減税工事年の1年分、工事費用10%
  • 住宅ローン減税最長10年、年末ローン残高の0.7%

リフォームする際、上記のような補助金や減税制度が利用できる可能性があります。利用すると費用が抑えられる補助金は各自治体によって異なるので、各自治体のホームページを確認してみてください。

リフォームはリノベーションハイムにおまかせください

古民家をリフォームするなら、リノベーションハイムにおまかせください。リノベーションハイムには、豊富な実績があり、スケルトンリフォームも数多く手掛けてきました。

そのため、あなたの悩みに適したリフォームプランの提供が可能です。無料の相談を実施しているため、興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。

まとめ

本記事では、古民家をスケルトンリフォームするメリット・デメリットや、費用相場、参考例、費用を抑える方法について解説しました。スケルトンリフォームは設備やデザインなどライフスタイルに合わせた工事ができるだけでなく、住宅の見えない部分の補強もできます。

そのため、古民家のリフォーム方法に最適です。まずは建物の現状を把握し、必要な工事を判断しましょう。

そこから、デザインや設備などの新調を検討するのがおすすめです。また、費用を抑えたい場合は、本記事で紹介した方法を参考にしてみてください。

本記事があなたのお役に立てることを願っております。

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