2階建てを3階建てにリフォームする費用は?条件やメリット・デメリットまで

リフォーム2階建てを3階建てに
主婦Aさん

2階建てを3階建てにリフォームってできるの?
2階建てを3階建てにして子供部屋を作りたい!

家族構成が変わったことから、今の住まいが手狭になってきたという方も少なくないでしょう。現状の間取りでは対応が難しく「今の家を3階建てにできないのかな?」と思っている方もいるはずです。

結論からいうと、2階建てを3階建てにするリフォームは可能です。ただし、条件や注意すべき点がいくつかあります。

そこで本記事では、2階建てを3階建てにするリフォームを、実施条件やかかる費用を交えて紹介します。あわせて、2階建てを3階建てにリフォームするメリット・デメリット、費用を抑えるコツも解説するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • 2階建てから3階建てにリフォームするにはいくつかの規制がある
  • 2階建てから3階建てにリフォームする際には、一般的に500〜2,000万円程度必要
  • 2階建てから3階建てにするメリットは、自由な間取りにできるやプライバシーを守りやすくなること
  • デメリットは、移動が大変になることや室内の温度差が大きくなること

※なお、本記事では環境省国土交通省の情報を参考に記事を制作しています。

井東祥郎 監修者

一級建築士 / 一級建築施工管理技士

井東祥郎

東京セキスイファミエス技術責任者
セキスイハイムの新築設計担当として27年間従事。現在は技術責任者として、お客様のリフォームの設計・施工に貢献している。

目次

2階建てから3階建てにリフォームできるの?

2階建てから3階建てにリフォームできるの?

2階建てから3階建てへリフォームすることは可能です。ただし、2階建てから3階建てにリフォームするにはいくつかの規制があるため、詳しく紹介します。

2階建てから3階建てにリフォームする際の規制

構造上の規制

2階建てから3階建てにリフォームする際には、次のような構造上の規制を守る必要があります。

構造上の規制詳細
耐震性建物の耐震性を保つための構造計算を行い、確認申請に添付し審査を受ける
防火性防火地域や準防火地域なら、建物を防火構造にして防火戸を設置する

リフォームで2階建てを3階建てにすると、床面積が10㎡を超える増築になることが多いため、建築確認が欠かせません。建築確認の際に、耐震性の構造計算書を添付し審査を受けます。

また、防火に関しては住宅が防火地域や準防火地域にあると、構造上の規制が避けられません。外壁や屋根材を防火構造にしたうえで、防火戸の設置が必要です。

法規制上の規制

次のような法律上の規制を守れば、2階建てから3階建てにリフォームできます。

法律上の規制詳細
容積率容積率とは敷地面積に対する延べ床面積の割合のこと。容積率は住宅がある地域ごとに異なるため、確認が欠かせない。
高さ都市計画で建物の高さ制限がある地域や日影規制により近隣住宅への日照に配慮する。

容積率では、上限を超えた建物は建てられません。たとえば、敷地面積100㎡に1階60㎡、2階50㎡の住宅があり、3階を40㎡リフォームする場合、容積率の計算は次のように行います。

(60+50+40)=150㎡(延べ床面積)

容積率:容積率は150÷100×100=150%

容積率の上限を超えないためにも、リフォームをする3階の床面積はどのくらい許容なのかを確認しましょう。

また、2階建てから3階建てにリフォームすると、建物が高くなります。近隣の建物が日影規制に抵触しないかを、役所が日影時間や日影阻害を計算して判断します。

3階部分が高すぎると法規制にかかり、近隣住民とのトラブルも生じるため確認が必要です。容積率の上限を超えないためにも、リフォームをする3階の床面積はどのくらい許容なのかを確認しましょう。

また、2階建てから3階建てにリフォームすると、建物が高くなります。近隣の建物が日影規制に抵触しないかを、役所が日影時間や日影阻害を計算して判断します。

3階部分が高すぎると法規制にかかり、近隣住民とのトラブルも生じるため確認が必要です。

2階建てから3階建てにリフォームするのにかかる費用相場

2階建てから3階建てにリフォームするのにかかる費用相場

2階建てから3階建てにリフォームする際には、一般的に500〜2,000万円程度必要です。建物の構造別には、次のような費用がかかります。

建物の構造費用相場
木造約50万円/㎡
鉄骨約60~70万円/㎡

木造より鉄骨のリフォーム費用が高いのは、材料費の差です。鉄骨の原材料価格が上昇しており、鉄骨の住宅ではリフォーム費用が高い側面があります。

加えて、リフォーム内容次第では補強工事や電気工事、給排管の工事など追加工事が欠かせず、費用がかさむこともあります。

2階建てから3階建てにリフォームするメリット

2階建てから3階建てにリフォームするメリット

2階建てから3階建てにリフォームすることを検討中なら、利点を知り判断したい方もいるでしょう。そこで、ここからは2階建てから3階建てにリフォームするメリットを、3つにまとめて紹介します。

自由な間取りにできる

リノベーションハイムの施工事例

自由な間取りにできる点は、2階建てから3階建てにリフォームするメリットの1つです。3階部分を増築するリフォームのため、居住スペースが増えて自由な間取りの実現が可能になります。

たとえば、2階にリビングと部屋がある作りでは2階を大空間のリビングのみにして、3階を各部屋にすることも可能です。間取りの工夫次第で快適な住宅になるため、間取り決めは慎重に行いましょう。

「子供部屋が足りない」「リビングが狭くてリラックスできない」などの悩みを解消できる効果的な方法です。

プライバシーを守りやすくなる

リノベーションハイムの施工事例

2階建てから3階建てにリフォームすると、プライバシーを守りやすくなります。なぜなら、3階部分に居住スペースが増えるため、各部屋を持ちやすくなるからです。

2階建てでは十分な部屋数がなくても、3階建てにリフォームすることで新たに空間ができ、家族分の部屋を作りやすくなります。各部屋があれば家族に気を使うことなく、リラックスして過ごすことが可能です。

そのため、勉強に集中できたり、電話しても家族に話し声が届きづらくなったりなど個人のプライバシーを守りやすくなります。

限られた土地面積でもスペースが広がる

リノベーションハイムの施工事例

限られた土地面積でもスペースが広がることも、2階を3階建てにリフォームするメリットです。建ぺい率により1階の増築や離れなどを建てられない場合でも、建物を上に高くすれば居住スペースを広げられます。

建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合を指すことばです。建物は敷地ギリギリまで建てられず、50〜80%程度に留めなければなりません。

建ぺい率を超えてはならないため、1階の増築できない場合は、2階建てを3階建てにすることで居住空間を広げられます。それほど敷地が広くなくても建物の上に空間を広げると、限られた土地でも居住スペースを大きくできるのです。

2階建てから3階建てにリフォームするデメリット

2階建てから3階建てにリフォームするデメリット

2階建てから3階建てにリフォームするメリットを把握したうえでデメリットも確認すると、リスクも考慮して判断できます。そこで、ここからは2階建てを3階建てにリフォームするデメリットを、3つにまとめて紹介します。

移動が大変になる

移動が大変になることは、2階建てから3階建てにリフォームするデメリットの1つです。3階建てにすると室内に階段が増えるため、移動が大変になります。

とくに、1階から3階への移動は段数が増える点に注意が必要です。足腰の負担を考えて、急な階段にしないことをおすすめします。

また、移動が多くならない間取りにすることも大切です。2階建てから3階建てにリフォームする際に間取り変更する場合には移動を考慮しましょう。

室内の温度差が大きくなる

2階建てから3階建てにリフォームすると、室内の温度差が大きくなります。なぜなら、温かい空気は上に留まるうえに3階は日当たりが良く、1階と3階で室温差が大きくなりやすいからです。

3階建てにすると建物が高くなって日当たりが良くなることから、より室内で温度差が生じやすくなります。とくに、夏は何かしらの対策をしなければ、室温が35℃を超える日もあるのです。

そのため、2階建てから3階建てにリフォームする際には、断熱リフォームの実施など室温差を可能な限り抑える工夫が必要です。

建物が揺れやすくなる

建物が揺れやすくなることも、2階建てから3階建てにリフォームするデメリットです。3階建てにすると、2階建てよりも重心が高くなるため地震の際に揺れを感じやすくなります。

とくに、1階がガレージといった柱や壁が少ない構造の住宅では注意が必要です。1階ガレージで2階建ての家ではそれほど揺れを感じない場合でも、3階建てにすると震度2でも感じやすくなります。

1階に柱や壁の少ない住宅を3階建てにする場合には、耐震補強などで耐震性を確保することが必要です。

2階建てから3階建てにリフォームする際の注意点

2階建てから3階建てにリフォームする際の注意点

ここでは、2階建てから3階建てにリフォームする際の注意点を、3つにまとめて紹介します。

建築確認が必要になる

2階建てから3階建てにリフォームする際には、建築確認が必要になります。10㎡以上床面積を増やす増築をする場合には建築確認が欠かせません。

2階建てを3階建てにするなら、床面積が10㎡以上増えることがほとんどです。そのため、2階建てを3階建てにリフォームする際は建築確認が必要であることを覚えておきましょう。

建築確認では、設計図や申請書類などを貼付して、自治体などから審査を受けます。とくに、3階建てにする場合には構造計算書を貼付して耐震性を確保することが重要です。

建築確認の審査が通らなければリフォームができないこともあわせて、把握しておきましょう。

生活動線を考えて間取りを決める

生活動線を考えて間取りを決めることも、2階建てから3階建てにリフォームする際には重要です。生活動線を考えて間取りを決めなければ、家事動線が大変になり効率良く動けません。

たとえば、1階に洗濯機を設置して洗濯物を干すのを3階にすると、2フロア分の階段を上る必要があり大変です。洗濯後は濡れていて重いため、洗濯物を持ち階段を上るのは手間と時間がかかります。

年齢を重ねると、膝や腰への負担も無視できません。そのため、1階から3階への移動を極力減らす間取りにすることも大切です。

耐震性を確保する

2階建てから3階建てにリフォームする場合には、耐震性を確保するのが重要です。耐震性を確保しなければ、地震の際に建物にヒビや破損などが生じやすくなります。

とくに、2階と3階の接合部は構造や建材の違いにより、地震が起こるとすき間やヒビが生じやすいのです。だからこそ、接合部の強化は欠かせません。

加えて、2階建てから3階建てにすると建物の重量が増えるため、基礎の強化や1階・2階の構造強化などを検討しましょう。3階建てにリフォームをして安全で安心な生活をするには、耐震性の確保が不可欠です。

2階建てから3階建てへのリフォームが困難な場合の対処法

2階建てから3階建てへのリフォームが困難な場合の対処法

2階建てから3階建てへのリフォームを検討しても、構造上できない場合もあります。そこで、ここでは2階建てから3階建てへのリフォームが困難な場合の対処法を、3つにまとめて紹介します。

スケルトンリフォームを行う

スケルトンリフォームを行う

2階建てから3階建てへのリフォームが困難な場合には、スケルトンリフォームを行いましょう。スケルトンリフォームを行えば建ぺい率はそのままで、間取りを変えて住みやすい空間を作れます。

スケルトンリフォームとは、壁や天井を全て取り除き、柱だけを残してリフォームする方法です。スケルトンリフォームでは設備の一新や間取りの変更もできるため、3階部分を増築しなくても期待する住宅を作れる可能性があります。

スケルトンリフォームなら間取り変更をして、各部屋を作ることや水回りの移動も可能です。3階建てにしなくても、リフォームの方法次第で理想の住宅を作れる可能性があることを覚えておきましょう。

2階を張り出し増築にする

2階建てから3階建てへのリフォームが困難な場合には、2階を張り出し増築にする方法もあります。張り出し増築ができれば居住空間が増えます。

張り出し増築とは、既存建物の壁を外に大きく出して室内を広げる方法です。張り出し増築ができるのは、建ぺい率や容積率、構造計算の条件を満たす必要があります。

ただし、建物全体で安全性を確保することが欠かせません。張り出し部分は建物の構造に影響を与えやすいため、安全面を考慮して耐震性を確保するのが賢明です。

法律面や構造上の規制を満たすなら、3階建てにリフォームしなくても2階を張り出し増築できることを覚えておきましょう。

2階建てから3階建てへのリフォーム費用を抑えるコツ

リフォームをするなら、可能な限り費用を抑えて実施したいのが本音でしょう。そこで、ここからは2階建てから3階建てへのリフォーム費用を抑えるコツを、3つにまとめて紹介します。

水回りの移動は避ける

リノベーションハイムの施工事例

水回りの移動を避けることは、2階建てから3階建てへのリフォーム費用を抑えるコツの1つです。水回りの移動をしなければ追加工事が不要であり、費用を抑えられます。

たとえば、1階のキッチンやお風呂などを2階へ移動させると、給排管の延長やガス・ダクトの工事などが必要なこともあるのです。給排管やガスなどの追加工事になれば、工期が延びるうえに、費用がかさむことは避けられません。

そのため、可能な限り水回りの移動は避けるように間取りを考えると費用を抑えられます。

既存の間取りを活かす

リノベーションハイムの施工事例

2階建てから3階建てへのリフォームで費用を抑えるには、既存の間取りを活かしましょう。既存の間取りを活かすと、追加工事や大規模リフォームを避けられて費用を抑えられます。

たとえば、2階リビングの住宅では3階部分に部屋を設けると、生活動線もよく快適な生活が送りやすくなります。一方、1階リビングの場合は3階を収納メインや子どもの遊び部屋にするのが賢明です。

2階建てを3階建てにリフォームする場合には、住宅全体のリフォームを避けると費用を抑えられます。現状の間取りをそれほど変えずに、部屋の使い方を変えるといった工夫をして工事を大がかりにしないことが賢明です。

補助金を活用する

補助金

補助金を活用すると、2階建てから3階建てへのリフォーム費用を抑えやすくなります。3階部分のリフォームと同時に断熱リフォームや二世帯住宅などにするなら、次のような補助金が利用可能です。

スクロールできます
補助金の種類リフォーム内容補助の上限額
先進的窓リノベ2025事業断熱(窓、玄関ドア)
玄関ドアは窓と同時に実施する場合のみ
200万円
子育てグリーン住宅支援事業断熱(窓、躯体)、高効率給湯器の設置60万円
長期優良住宅化リフォーム推進事業耐震補強、断熱(窓、躯体)、二世帯住宅化、バリアフリー化210万円(※)
※長期優良住宅に認定した場合
既存住宅の断熱リフォーム支援事業断熱(窓、躯体、玄関ドア)120万円

上記に加えて、自治体で実施する補助金もあります。上記の補助金と自治体で実施する補助金は併用可能なものが多いため、最大限活用するのが賢明です。

自治体が実施する補助金は各公式サイトで確認しましょう。

2階建てから3階建てにリフォームするならリノベーションハイムにご相談ください!

リノベーションハイムの施工事例

2階建てから3階建てにリフォームするならリノベーションハイムにお任せください。

リノベーションハイムは50年以上のリフォーム実績がある会社であり、経験や知見が豊富です。お客様の希望にそうリフォームを実施するために、現地確認や打合せを丁寧に行います。

打ち合わせではお客様の要望を詳細に聞き取り、希望にあうプランを数パターン提案いたします。あわせて、補助金を活用したプランの提案も可能であり、手の届きやすい金額でリフォームが可能です。

2階を3階建てにするリフォームを検討中なら、リノベーションハイムにご気軽に相談してください。

まとめ

本記事では、2階建てを3階建てにリフォームできるのかを、費用や注意点を交えて紹介しました。2階建てを3階建てには構造上と法律上の規制を満たせば、リフォーム可能です。

ただし、3階を作ると建物の重量が増えるため、耐震性の確保が欠かせません。安全で快適な生活をするには建築確認を行い、生活動線を検討した間取りにするのが賢明です。

リフォーム後、安心して生活するためにもリノベーションハイムへお問い合わせください。実績豊富なリノベーションハイムなら、補助金を活用したプランの提案も可能です。

本記事があなたのお役に立てることを願っております。

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事は、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で住まいのリフォームを行う「リノベーションハイム」を運営する東京セキスイファミエス株式会社が制作しています。

当メディア「リノベーションハイム」を運営する東京セキスイファミエス株式会社は「全国コンテスト」の受賞歴が多数あり「TVチャンピオン」などのメディアにも出演しています。

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