家の10年点検の内容と費用相場を解説!損をしないための知識

年月が過ぎ去るのは早く、気が付けばそろそろ住みはじめて10年が経つという方も多いでしょう。家の10年点検はとても重要な点検タイミングです。注文住宅は、法律で引渡しから10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。

10年保証と呼ばれているものが、上記の瑕疵担保責任です。瑕疵担保責任では、柱・梁・筋交い・小屋組・土台・基礎など住宅における構造上重要な耐力部分に対する保証になります。

もし、10年が経過してから住宅構造上、重大な欠陥があった場合は自分で直さなければいけません。

主婦Aさん

10年点検の内容はなに
点検はしっかりやってもらえるのか

他の業者に任せるのもありなの

と気になっている方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、10年点検の内容や費用相場、住宅を建てた会社に依頼する危険性について紹介します。

実際に10年点検をした方の口コミも参考にしながら解説するので、そろそろ住みはじめて10年経つ方や将来の10年点検が心配という方は参考にしてください。

井東祥郎 監修者

一級建築士 / 一級建築施工管理技士

井東祥郎

東京セキスイファミエス技術責任者
セキスイハイムの新築設計担当として27年間従事。現在は技術責任者として、お客様のリフォームの設計・施工に貢献している。

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目次

そもそも家の10年点検って必要?

結論、家の10年点検は必要です。前述したとおり、建物の構造部や雨水を防止する部分には施工会社などに10年間の保証が義務づけられています。

2000年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行され、新築後10年は安心して暮らせる環境が整えられているのです。

加えて、新築では瑕疵保険に加入している可能性があります。瑕疵保険とは、住宅の欠陥による損害を補償する保険のことです。万が一、新築した施工会社が倒産した場合でも瑕疵保険があれば、工事を実施した業者は補修費用を保険で賄えます。

家は築10年頃から劣化が始まるため、保証期間内に10年点検を実施して住宅に不具合がないかを確認するのが賢明です。また、家の10年点検を行うと住宅の問題点を早期に発見でき、今後の住宅メンテナンス費を低く抑えられる可能性もあります。

家10年点検の内容と項目

さっそく、家10年点検の内容を場所別に紹介します。紹介するのは、以下の3箇所です。

家10年点検の内容と項目

それぞれ点検しておかなければ、重大な欠陥を見落としてしまう可能性もあります。また、点検時に劣化具合の確認し、メンテナンスで修復することで、大きな費用の出費を抑えて快適な住空間を持続させられます。

それでは見ていきましょう。

外壁面

まず点検する場所は、外壁面です。外壁面では、汚れやコケなどから、ひび割れや塗装剥がれが発生していないかなどを点検します。

ほかにも、屋根の浮きがないかやベランダの防水性能についても点検していきます。外壁の寿命は素材によって異なりますが、約10年と比較的短いため点検時に劣化が発見されることがあるでしょう。

劣化が見られる場合は、メンテナンスの対象になります。メンテナンスすることで、寿命を伸ばし、快適な住空間を維持するために重要になります。

内装面

次に点検する場所は、内装面です。内装面では、壁や天井、屋根裏などのひび割れや染みが無いか点検します。

他にも床下や木造住宅の場合は、シロアリに侵食されていないか点検していきます。内装面でひび割れなどが現れている場合は、住宅構造上不安があるため、しっかりとした調査が必要になります。

また、シロアリなどに侵食されている場合はとても危険な状況であるため、早急な対処が必要です。

設備面

最後に点検する場所は、設備面です。設備面は、水回りやソーラーパネル、構造自体の点検です。

水平器などを使用して基礎が傾いていないかを点検します。また、水回りの水漏れや排水管の汚れ具合を点検します。

ソーラーパネルを搭載している住宅は、ソーラーパネルの点検も重要になります。汚れが溜まっていては、本来の発電効率が得られない可能性もあります。10年点検時に一緒に点検してもらいましょう。

家の10年点検で指摘されやすい修繕箇所と費用

ここからは、家の10年点検で指摘されやすい修繕箇所と費用を、5つ紹介します。

外壁のひび割れ

外壁のひび割れは家の10年点検で指摘されやすい修繕箇所の1つです。修正費用の相場は、5,000〜10万円程度です。

外壁のひび割れは程度により修繕方法が異なり、具体的に次のような費用がかかります。

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ひび割れの修繕方法費用
ひび割れ部分に樹脂を注入する5,000~1万円程度/箇所
ひび割れ部分に樹脂を注入+下地とコーキングの処理1~10万円/箇所

なかでも、0.3㎜以上のひびや窓や玄関といった開口部のひびには、とくに注意が必要です。大地震の際にひびが大きくなり建物が倒壊する恐れがあります。

開口部付近のひびでは雨漏りの懸念もあるため、早めに対応するのが賢明です。

外壁塗装の剥がれ

外壁塗装の剥がれも家の10年点検で指摘されやすい修繕箇所の1つです。修正費用の相場は、足場代込みで80〜120万円程度(約30坪)かかります。

外壁塗装は次の流れで実施されることが一般的です。

外壁塗装の流れ
  1. 業者による現地調査
  2. 足場の設置
  3. 高圧洗浄
  4. 下地処理
  5. 塗装

外壁塗装が剥がれると、外壁への防水機能が低下します。外壁材に雨水が侵入すれば腐食して、ひび割れや変形を起こしかねません。

外壁塗装の剥がれは1箇所に限らず他でも起こりえるため、該当箇所だけでなく家全体を塗り直すのが賢明です。

屋根材の劣化

屋根材の劣化も家の10年点検で指摘されやすい修繕箇所の1つです。修正費用としては、次のような費用がかかります。

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屋根材の修繕方法費用
一部の破損やひび割れによる部分的な補修5~25万円程度
下地の補修と屋根材の交換100万円程度

万が一、雨漏りが見受けられる場合には大がかりな修繕になります。既存屋根を取り外し、雨漏りの箇所を特定しなければなりません。

下地処理のみの不具合の場合は、修繕後に既存屋根を使い続けられます。なお、屋根材の修繕は騒音と振動が生じやすいことを念頭におかなければなりません。

外壁目地のコーキング劣化

外壁目地のコーキング劣化も家の10年点検で指摘されやすい修繕箇所の1つであり、次のような費用がかかります。

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外壁目地のコーキングの修繕方法費用
既存の目地を取り除き新しいものを充填(打ち替え)1000円程度/m
既存目地の上から新しいものを充填
(増し打ち)
700円程度/m

外壁目地とは、外壁のボードやパネルのつなぎ目のことです。目地にはコーキング材が充填されており、建物の防水や気密性を維持する役割があります。

外壁目地の修繕は、基本的に打ち替えがおすすめです。目地が一新されるため、耐久性があがります。

ただし、窓や開口部付近では打ち替えをすると防水紙を破損する恐れがあります。雨漏りの原因にもなりかねないため、増し打ちを行うことが多いです。

シロアリ被害

シロアリ被害も、家の10年点検で指摘されやすい修繕箇所の1つです。シロアリ被害が確認された柱や床などは交換したり、これ以上の被害を受けないためにシロアリ駆除をしなければなりません。

具体的に、シロアリ被害の修繕費用は次のような金額です。

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シロアリ被害の修繕方法費用
シロアリ被害を受けた柱や床などの交換30~100万円程度
シロアリ駆除10万円程度(30坪)

柱や床などでシロアリ被害を受けた場合には、程度により修繕の仕方が変わります。シロアリ被害を受けた柱や床は木材がボロボロになり、耐震性が低下します。

安心で安全な暮らしをするためにも、業者と相談し適切な修繕を行うのが賢明です。加えて、シロアリ被害を繰り返さないよう、薬剤散布も欠かせません。

家の10年点検を実施する際の注意点

ここからは、家の10年点検を実施する際の注意点を、3つにまとめて紹介します。

点検日に家具・家電を移動させる

点検日に家具・家電を移動させることは、家の10年点検を実施する際の注意点の1つです。内装点検時に、大きな家具や家電の裏側は移動させなければ確認ができません。

10年点検の担当者は、家具・家電を動かして点検をしないことが多いです。点検できない箇所に住宅の不具合や問題点があろうとも、気づかずに10年点検を終える可能性があります。

10年点検が終わると、10年保証や瑕疵保険の適用外になり、以降は実費で直さなければなりません。とくに、屋根裏の収納や各部屋の天井などで雨漏りが見過ごされると構造部の腐食や劣化を招くため、確実に点検するのが賢明です。

床下収納内は空にする

床下収納は空にすることも、家の10年点検を実施する際の注意点の1つです。点検の担当者は床下からもぐり、水回りからの水漏れがないかを確認します。

台所や脱衣所にある床下収納に荷物がある場合には、一時的に移動させましょう。

キッチンや浴室から水漏れがあれば構造部に影響を与えるとともに、シロアリ被害を受けやすくなります。シロアリは湿気が多く暗い場所を好むため、床下は注意すべき場所です。

確実に床下の点検が実施できるように、床下収納内の荷物は空にすることをおすすめします。

点検時に写真を撮るように依頼する

点検時に写真を撮るように依頼することも、家の10年点検を実施する際の注意点の1つです。担当者を信頼して点検を行うものの、写真があれば安心できます。

点検箇所の写真とともに結果報告をすれば、自ら問題がないことを確認できるため、安心感につながるのです。とくに、屋根裏や床下は狭くて天井が低く移動しづらいうえに、行くことはほとんどありません。

自ら確認しづらい場所ほど点検時に写真を残してもらうと良いでしょう。

住宅を建てたメーカーに依頼する際の危険性

ここからは、実際に住宅を建てたメーカーにそのまま依頼する危険性について紹介します。ほとんどの方は、住宅を建てたメーカーに10年点検を依頼するでしょう。しかし、メーカーにそのまま依頼するのは危険性があります。

実際に10年点検をメーカーにそのまま依頼した方の口コミを確認しながら紹介していきます。紹介するのは以下の2つです。

住宅を建てたメーカーに依頼する際の危険性

それでは見ていきましょう。

不要な修繕まで要求される可能性

明確な調査内容を示さずに保証を継続するためには、修繕が必要といわれてしまうこともあるようです。

「契約時に10年点検は無料ですが、指摘された所を有償で修繕すれば、補償はさらに10年延長しますと言われていました。10年経過し、指摘箇所としてコーキングの修繕に1203000円、防蟻処理に233184円、防水工事FRP3箇所552300円と言われました。税込200万越えです。」

引用元: ヤフー知恵袋

明確な調査内容を示さずに、保証を延長するためには交換条件として、修繕が必要と言われてしまったようです。上記のように不要な箇所まで「修繕しませんか?」と要求されてしまう可能性もあります。

200万円を支払い保証を延長しても、メーカーに瑕疵があった際も法律上10年以上経過していればメーカー責任は問えないことになってしまいます。ただし、保証を延長できますが、保証延長金を別途支払う必要があります。

そのため、心配であれば保証延長を検討するのもひとつの手になります。

調査不足の可能性も

以下の口コミのケースのように、点検内容が簡単な調査のみで終わってしまう可能性もあります。

「某有名ハウスメーカーで長期優良住宅仕様(2階建て48坪)のマイホームを建て、今年で10年となったため無料点検がありました。その点検は、外回りを一周見てから台所の点検口から床下を観察し15分程度で終了する簡単なものでした。」

引用元: ヤフー知恵袋

数分間家の周りを確認しただけ点検が終了し、修繕内容が200万円を超える提示される場合もあります。ちゃんととした点検をした訳では無いのにも、おおよそ10年経過した住宅に必要であろう修繕内容を提示されるのは不安でしょう。

現在の住宅状況を把握し適切なメンテナンスのためにもメーカーではない、外部業者に10年点検を依頼することが必要になるでしょう。

家の10年点検を依頼する際は住宅会社の比較が重要

家の10年点検を依頼する際は住宅会社の比較が重要になります。メーカーの10年点検は基本的に無償で受けられるため、1度点検してもらい内容に不安があった場合は外部業者への依頼を検討しましょう。

10年点検時に必ず修繕メンテナンスが提案されるため、その内容と、外部業者の修繕メンテナンス内容を比較し、金額が安く将来的にも依頼し続けられる業者へ修繕メンテナンスを依頼しましょう。

外部業者を探す際は、信頼できる実績と今後のメンテナンスも依頼できるような住宅カルテを発行してくれる業者を探しましょう。

住宅カルテは、点検内容やメンテナンス箇所、時期などを記録しいつでも確認できるものになります。また、適切なメンテナンス時期に連絡をもらえるため、1度依頼してしまえば、将来的にメンテナンスに対して不安にならなくて済みます。

家の10年点検を依頼するならリノベーションハイムへ

家の10年点検を外部業者に依頼するならリノベーションハイムがおすすめです。リノベーションハイムは50年以上の長年の実績とセキスイハイムで築かれてきた信頼の経験がある優良企業になります。

また、点検をはじめとする、住宅メンテナンスやリフォームなどにも定評のある企業です。1度依頼すると住宅カルテを発行してもらえるため、今後の点検、メンテナンスも長期的に安心して依頼し続けることが可能です。

オンラインでの相談も可能なため、気になる箇所や些細な質問でも一度相談してみましょう。実際に相談することで、あなたの不安が解消されるかもしれません。

まとめ

今回は家の10年点検について解説してきました。

10年点検は、瑕疵担保責任の保証が切れる大切なタイミングの点検になります。そのため、信頼できる点検を実施してくれる企業に依頼しましょう。

また、10年点検時に発生する修繕やメンテナンス費用の相場は約50万円から200万円になります。まだ10年点検が先の方は計画的な資金を貯蓄しておきましょう。

住宅を建てたメーカーにそのまま10年点検を依頼するだけでは不安が残るため、リノベーションハイムのような優良業者への依頼も検討し、将来的なメンテナンスの不安も同時に解消しておきましょう。

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事は、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で住まいのリフォームを行う「リノベーションハイム」を運営する東京セキスイファミエス株式会社が制作しています。

当メディア「リノベーションハイム」を運営する東京セキスイファミエス株式会社は「全国コンテスト」の受賞歴が多数あり「TVチャンピオン」などのメディアにも出演しています。

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