鉄骨造の建物をスケルトンリフォームする費用や参考例、費用を抑えるコツなどを解説

鉄骨造の建物は、頑丈な素材を活かし、建て替えよりも費用を抑えてリフォームやリノベーションできることが魅力です。そんな鉄骨造の建物をスケルトンリフォームする際、どれくらいの費用がかかるのか気になっている方も少なくないでしょう。

また、どんなメリット・デメリットがあるのか、気を付けるべき点はあるのかなど疑問な点が多い方もいるはずです。スケルトンリフォームは馴染みのある言葉ではないため、しっかりと必要な情報を入手しておくことが大切になります。

そこで、本記事では、鉄骨造の建物をスケルトンリフォームする際の費用相場やメリット・デメリット、注意点などを解説していきます。これから鉄骨造の建物のスケルトンリフォームを検討している方は参考にしてみてください。

目次

鉄骨造のスケルトンリフォームとは

鉄骨造のスケルトンリフォームとは、建物をいったん骨組みの状態にして行うリフォームのことです。柱と梁の骨組みの状態まで解体・撤去してリフォームを行います。

躯体を生かし、今後末永く安心して暮らせるよう修繕をして、現在や将来を考えた間取りや設備へ自由に変更できるリフォームです。つまり、スケルトンリフォームでは、間取りや内装・設備・住宅性能を向上させるリフォームなど、あらゆるリフォームができます。

そんな鉄骨造には重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類あり、材質は同じでもスケルトンリフォームのしやすさが異なります。きちんとメンテナンスをすると、100年使い続けられるほど頑丈です。

以下で軽量鉄骨造と重量鉄骨造について特徴やリフォームのしやすさについて解説していきます。

軽量鉄骨のスケルトンリフォーム

軽量鉄骨造は厚さ4㎜以下の骨格材を使用した建物を指し、ハウスメーカーが多く取り入れています。軽量鉄骨造はハウスメーカーごとに工法が異なるため、スケルトンリフォームの難易度が高いです。

ブレース(筋交い)という建材を使用している壁は、取り除いてしまうと家の強度が落ちてしまうため撤去できず、リフォームに制約が出てしまいます。

重量鉄骨のスケルトンリフォーム

重量鉄骨造は、骨格材の厚さが4㎜以上の鉄骨を使用した建物を指します。強度の高い梁と柱で構成されているため、柱と梁さえ残せば、壁や床を撤去したりなどのリフォームが可能です。

つまり、重量鉄骨造の建物はスケルトンリフォームの自由度が高い構造体で、軽量鉄骨造の建物よりもスケルトンリフォームをしやすいです。ただ、柱や梁の形が部屋の内部に出てしまうことがあり、柱や梁をいかにきれいに処理できるかがリフォームの際のポイントです。

鉄骨造の建物の最大の敵はサビです。鉄骨がサビてしまうと強度も耐用年数もかなり落ちてしまいます。しかし、スケルトンリフォームを行うことで、鉄骨1つひとつの状態をチェックし、サビ止めや補強を施せます。

鉄骨造の建物をスケルトンリフォームする際の費用相場

鉄骨造のスケルトンリフォームで発生する費用は主に以下4つです。下記表に費用相場や内容をまとめました。

スクロールできます
費用内容費用相場
解体撤去費用建物を骨組みの状態にするための作業+撤去した廃材を処分する費用坪単価で計算。1坪あたり6~7万円が一般的。※地域や業者によって異なる
補強工事費用・耐震補強や断熱リフォーム、防音リフォームなど行い、住宅性能を高めるための費用。
・どのような工事を行うかによって費用が異なる(事前にリフォーム会社に費用を聞いておくと良い)。
・300~500万円程度が目安(建物全体に施した場合)
・8~15万円前後(断熱窓や二重窓を取り入れた場合)
リフォーム費用・住まいの機能性や快適性を向上させるためのリフォーム費用。
・間取りや住宅設備のグレードなどによって異なる(検討している内容で見積もりを出してもらうと分かりやすい)
800~1,600万円程度(※目安)

鉄骨造の建物をスケルトンリフォームする際は1,500~2,500万円を目安に考えておくと良いです。この目安とご自身の予算を考慮し、スケルトンリフォームの予算を決めてみてください。

上記以外にも、スケルトンリフォーム実施中の仮住まいを準備する場合は費用が発生するため、予算内に入れ忘れないようにしましょう。

鉄骨造の建物をスケルトンリフォームした事例3つ

鉄骨造の建物をスケルトンリフォームした事例を3つピックアップしました。

下記で画像と共に紹介していくので、参考にしてみてください。

事例①【2,450万円/築16年/埼玉県】

項目詳細
築年数16年
工期4か月
施工費用2,450万円

こちらの住まいは創造力を高める変化にとんだ空間構成が魅力的です。扉を開くと、海外の邸宅を思わせる華やかなエントランスホールが出迎えてくれます。

絵本や本が身近にあることはもちろん、余計なものを置かず、大きな家具や大判のタイルなどのインテリアが映える開放的な空間に仕上がっています。

事例②【3,000万円/築25年/東京都】

項目詳細
築年数25年
工期3カ月
施工費用3,000万円

こちらは、生活時間帯の異なる2世帯が仲良く暮らせるようにとスケルトンリフォームされました。併せて、断熱性能の向上も行っています。

キッチンを中心に家族が自然と集まるLDKも魅力的です。家族の現在とこれからを見据えて、家全体を見直してプランニングしたことで、温熱環境も大幅に改善し、家族全体に優しい家に仕上がっています。

事例③【1,430万円/築30年/東京都】

項目詳細
築年数築30年
構造重量鉄骨
工期4か月
施工費用1,430万円

こちらは両親の思い出や実家の佇まいを残しながら、住居部のスケルトンリフォームと建物の保全工事を行いました。

雨漏りのする建物を補修しつつ、既存の窓の大きさを活かした開放的なLDKプランで仕上げられています。LDKの中心に大胆に設置されているアイランドキッチンは、どこに行くにも必ずキッチンを通る動線を確保したいという奥さんのこだわりです。

建て格子の内装引戸や木製ブラインドなど機能面を充実させつつ、統一感のある空間ができたことに大変満足しています。

鉄骨造の建物をスケルトンリフォームするメリット

鉄骨造の建物をスケルトンリフォームするメリットは以下6つ挙げられます。

  • 建て替えと比べて費用が安価
  • 間取り変更や配管を一新できる
  • 家の性能を向上できる
  • デザインを統一できる
  • ライフスタイルに合った家を実現できる
  • 再建築不可の建物を新築同様にできる

スケルトンリフォームのメリットは、新築同様のレベルまで価値や性能を引き上げられるにもかかわらず、新築や建て替えよりも安価な費用で実現できることです。

スケルトンリフォームを行い、現在のライフスタイルへ間取りや設備、住宅性能を大幅に変更できるのも大きなメリットとして挙げられます。

そして、建物全体のデザインを統一できるのもスケルトンリフォームも大きなメリットです。長く居住していると、各フロアでデザインが異なっていることがあります。しかし、スケルトンリフォームを行うことで、建物全体のデザインテイストをバランス良く統一できます。

鉄骨造の建物をスケルトンリフォームするデメリット

スケルトンリフォームはメリットの多いリフォームですが、デメリットも存在します。鉄骨造の建物をスケルトンリフォームするデメリットは以下4つ挙げられます。

  • 工期が長い
  • 仮住まいが必要
  • 地盤全体の改良は難しい
  • 解体しないと躯体の状態が分からない(=追加費用が発生する可能性がある)

スケルトンリフォームでは、骨組み以外を解体してリフォームしますが、地盤全体の改良が難しいです。もし、地盤強度が低い場合は、改善できない訳ではありませんが、かなり費用がかかります。そのため、地盤が緩い場合は新築や建て替えにするのが無難です。

そして、スケルトンリフォームは建物を骨組みだけにして行うリフォームであることから、工期が長いです。建物の規模にもよりますが、4か月以上見ておく必要があります。その期間は自宅に住めないため、仮住まいを準備しなければいけません。

1番認識しておきたいのは、建物の状況は解体してみないと分からないことです。躯体の劣化状況によっては、見積もりよりも費用がかさんだり、追加費用が発生する恐れがあります。そのため、見積もりを立てる際は、予算ギリギリではなく、余裕を持たせておくと安心です。

鉄骨造の建物をスケルトンリフォームする際の2つのポイント

鉄骨造の建物をスケルトンリフォームする際のポイントは以下2つ挙げられます。

下記で詳しく解説していくので、これからリフォームする際の参考にしてみてください。

スケルトンリフォームできない物件に注意

スケルトンリフォームは自由度の高いリフォームができるのが魅力ですが、建物によってはスケルトンリフォームできない場合もあります。スケルトンリフォームに適さない建物には以下のようなものがあります。

  • 躯体の老朽化が著しい建物
  • 大胆な間取り変更ができない構造の建物

躯体の老朽化が著しい建物はスケルトンリフォームが難しい恐れがあります。躯体の補強や修繕によって建て替えと変わらない、もしくは建て替え以上の費用がかかってしまう恐れがあるからです。

そのため、土地の事情で建て替えできないなどのケース以外は、スケルトンリフォームではなく新築することをおすすめします。ただ、躯体の状況を事前に確認していても、取り壊してみないと分からないため、解体してみないとこの判断は難しいです。

古い物件の場合は、もしもの場合に備えてリフォームも新築も行っている会社に相談するのが良いでしょう。

費用を抑えるコツ

スケルトンリフォームの費用を抑えるコツは以下2つです。

  • 解体の範囲を決める
  • 採用設備建材仕様の見直し

スケルトンリフォームは施工範囲が広いほど費用が高くなります。費用を抑えたい場合は、施工範囲を狭めたり、間取りをどこまで変更するのかなどを見直すのも1つの方法です。

スケルトンリフォームメリットは現在や将来のことを考慮し、間取りや住宅設備の変更、住宅性能の向上ができるのがメリットです。しかし、求めすぎてしまうと費用は比例して高くなります。そのため、行いたいリフォームの優先順位を決めておくのがおすすめです。

表面上のおしゃれな仕上げ材や最新型の住宅設備機器を取り入れたい気持ちは分かります。しかし、これらはいつでも交換でき、建物本体にはあまり関係していません。

そのため、建物全体の性能に目を向け、仕上げ材の費用を抑えるのも、費用を抑えてスケルトンリフォームする工夫といえるでしょう。

リフォームはリノベーションハイムにおまかせください

鉄骨造の建物をスケルトンリフォームするなら、リノベーションハイムにおまかせください。リノベーションハイムには豊富な実績があり、鉄骨造の建物のスケルトンリフォームも数多く手掛けてきました。

過去の実績や経験をもとに、お客様の要望や希望に沿った提案ができます。そのため、あなたの悩みに適したリフォームプランの提供が可能です。

無料相談も実施しているため、興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。

まとめ

本記事では、鉄骨造の建物のスケルトンリフォームに関して、費用相場や参考例、メリット・デメリット、ポイントなどについて解説しました。リフォームは高額であるため、現在だけでなく、将来のことも考えて行う必要があります。

また、スケルトンリフォームできない物件も中にはあるため、事前にできるか確認を忘れないようにしましょう。本記事では費用を抑えるコツに関しても解説しています。なるべく費用を抑えてリフォームしたいという方は参考にしてみてください。

本記事があなたのお役に立てることを願っております。

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