中古マンションのリフォームですべき工事は?部分別の費用相場や補助金制度も紹介

中古マンションのリフォームは管理規約があったり、他の住人がいることなどからリフォームする際は注意する点が多くあります。管理規約に沿っていないとリフォームの許可が下りなかったり、構造上、希望に沿ったリフォームができない場合もあります。

そのため、中古マンションをリフォームする際は、何に気を付けてリフォームプランを立てるのか知っておくことが大切です。把握することで、無駄のない予算内におさまったリフォームが実現できます。

そこで本記事では、中古マンションのリフォームですべき工事や費用相場、注意点などについて詳しく解説します。あわせて、中古マンションのリフォームで利用できる補助金制度も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

中古マンションのリフォームでおすすめの工事

中古マンションのリフォームでは、建物の状態に最適な工事を施すことが大切です。中にはあわせてやっておくべき工事もあります。ここからは、中古マンションのリフォームでしておいた方が良い工事を4つ紹介します。

それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

防音対策

マンションでは騒音トラブルが多く、防音対策をしておくことがおすすめです。テレビや掃除機、洗濯機などの家電の音は想像以上に響いてしまいます。

また、子どもやペットがいる家庭であれば、足音や泣き声(鳴き声)などが近所に聞こえないよう気を配らないといけません。他にも、自分たちが発生させる生活音だけでなく、外部から聞こえてくる騒音対策も必要です。

線路や道路沿いに面している場合は電車や車の音、繁華街が近い場合は夜間の騒ぎ声が気になることもあるでしょう。そのため、リフォームプランの中に防音対策を組み込んでおきましょう。

断熱リフォーム

築年数が経っている場合、断熱性能が低い恐れがあります。断熱性能が低いと「冬は寒く、夏は暑い」と悩まされたり、周囲との寒暖差によって結露やカビが発生しやすくなるため注意が必要です。

断熱性能を向上させることで、冷暖房の効きが良くなり、省エネ効果も期待できます。また、住み始めてからランニングコストの節約も可能です。

上記のように、断熱性能を高めることで健康面や費用面で大きなメリットがあります。中古マンションをリフォームする際は、断熱リフォームも視野に入れることをおすすめします。

内装・給湯機・水回り設備のリフォーム

築年数によって、内装材や住宅設備の寿命が近い可能性があります。適切な周期でリフォームが必要な箇所を以下の表にまとめました。

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設備、建材リフォーム時期(目安)
壁紙、クロス5~10年
フローリング10~15年
カーペット5年前後
クッションフロア10年前後
2~5年:裏返し
4~7年:表替え
10~15年:新調
給湯器8~10年
水回り設備10~20年

水回りの床が劣化すると水漏れが発生し、下の階に迷惑をかけてしまう恐れがあります。そのため、なるべく余裕を持って交換しておくのがおすすめです。リフォームが必要な箇所はリストアップしておくと良いでしょう。

耐震リフォーム

建築基準法の耐震基準は、1981年6月1日に大幅に改正されました。1981年の改正以前は旧耐震基準、以降は新耐震基準の建物といわれています。

新耐震基準では、震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊を免れる強さとすることが義務付けられています。旧耐震基準の建物の場合は耐震性に懸念が残るため、耐震リフォームを検討しましょう。

もちろん、新耐震基準以降のマンションの方が安全ですが、それ以外の建物が安全でないという訳ではありません。耐震診断の結果、新耐震基準をクリアする耐震性が認められたり、耐震改修や耐震補強を施しているマンションもあります。

上記を踏まえて、耐震強度を確認しておきましょう。

【部分別】中古マンションのリフォーム費用相場

ここからは、中古マンションのリフォーム費用相場を部分別に紹介します。検討しているリフォームがあれば、費用相場をチェックしてみてください。

水回りのリフォーム

水回りには、キッチン、浴室、トイレ、洗面所の4か所あります。水回りをリフォームする際は、1箇所ずつ施工するよりも4か所を同時にリフォームした方が価格が安くなります。

予算も考慮すると各設備を別のタイミングでリフォームしたいかもしれませんが、余裕があれば一緒に工事しておくと良いでしょう。水回りのリフォームにかかる費用相場は以下の通りです。

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施工内容費用相場
4箇所すべて交換175~300万円
システムキッチン交換50~200万円
※壁向きから対面式に変更:55~200万円
浴室50~250万円
トイレ洋式トイレを交換:15~50万円
和式トイレを洋式に変更:15~60万円
洗面所洗面台のみ交換:10~50万円
洗面所全体:20~50万円
給湯器の交換10~35万円

築20年以内のマンションであれば、損傷個所の補修や給湯器の交換などが中心になります。費用は300~500万円程度が一般的です。

内装(壁・床材)のリフォーム

内装や天井のリフォームでは、壁紙クロスの交換が一般的です。しかし、湿気や結露対策を一緒に施すケースも増えています。内装のリフォームにかかる費用は以下の通りです。

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施工内容費用相場
壁紙クロスの交換800~1,500円/㎡
内側に防音材を追加12~15万円
※建材や部屋の広さによって変動
防音仕様の床材に変更6~23万円
フローリング交換6~20万円
カーペット交換4~12万円
※フローリングなどからカーペットに張り替え:4~12万円
クッションフロア交換4~10万円
畳の新調(交換)7~30万円
畳からフローリングに変更9~24万円

足音などの防音対策を施したい場合は、防音仕様のフローリングやカーペットへの変更を検討してみてください。

断熱リフォーム

マンションで断熱性能を高めるためには、内窓の設置や室内側の壁に断熱材を施すなどのリフォーム方法が一般的です。

内窓の設置はマンションでも許可が下りるケースが多く、防音対策にも有効です。断熱リフォームにかかる費用相場を以下にまとめたので参考にしてください。

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施工内容費用相場
内窓の設置8~30万円/箇所
壁に断熱材を施工4千~3万円/㎡
天井の断熱リフォーム2,000~8,000円/㎡
防音リフォーム窓:5~15万円(1窓あたり)
壁:5~25万円
床:5∼80万円
断熱リフォーム窓:7~20万円(1窓あたり)
壁:30~40万円
床:20~120万円

窓の交換のみであれば数万円程度に収まるケースもありますが、壁や床を施工する場合は数十万~数百万円以上かかることもあります。

防音対策や断熱対策の費用は、施工箇所や規模によって大幅に変動するため、予算に合わせて調整しましょう。

リビング・部屋のリフォーム、間取り変更

部屋に関するリフォームでは、内装のみを新しくする工事であれば、50万円未満でリフォームできるケースもあります。リビングや部屋のリフォーム、間取り変更にかかる費用相場を以下にまとめたので参考にしてください。

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施工内容費用相場
間仕切りの追加8~25万円/箇所
間仕切りの撤去7~23万円/箇所
リビングのリフォーム15~150万円
リビング拡張40~90万円
洋室のリフォーム15~60万円
和室のリフォーム20~60万円
和室を洋室に変更25~100万円
壁紙の張り替え50万円~
防音材の追加(1部屋6畳の場合)18~25万円

スペースを広げたり、床暖房を設置する場合は100万円前後かかる可能性があります。和室や洋室をリフォームする際は、60万円程の予算を見込んでおきましょう。

収納・建具・コンセントを追加するリフォーム

収納や建具、コンセントを追加するリフォームにかかる費用相場は以下の通りです。

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施工内容費用相場
壁付けクローゼット10~48万円/箇所
ウォークインクローゼット18~80万円/箇所
室内ドアの増設6~25万円/枚
壁付けクローゼットの増設10~48万円/箇所
ウォークインクローゼットの新設18~80万円/箇所
シューズクロークの設置40~75万円
コンセントの増設5千~2万円/箇所

収納を増やしたい場合、壁付けクローゼットを活用するのがおすすめです。スペースに余裕があったり、間取りを変更する場合は、ウォークインタイプのクローゼットを新設するのも良いでしょう。

フルリフォーム

フルリフォームにかかる費用相場は以下の通りです。

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施工内容費用相場
フルリフォーム(間取り変更なし)600万円~
フルリフォーム(間取り変更あり)1,000万円~

2LDKから3LDK程の広さのマンションで、全面的なリフォームや、スケルトンリフォームする場合は、500万円以上の予算を見込んでおきましょう。

中古マンションを買ってリフォームするメリット・デメリット

ここからは、中古マンションを買ってリフォームをするメリット・デメリットを紹介します。メリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
・新築を買うよりも安価
・物件数が豊富
・間取りや内装を一新できる
・機能や性能を向上できる
・軽減措置が受けられる
・周辺環境や生活の利便性などが想像しやすい
・資産価値が下がりにくい
・間取り変更できない場合がある
・構造や状態によっては、費用が高くなる
・住むまでに時間がかかる
・住宅性能や設備が劣っている恐れがある
・水回りに制限があるケースがある
・ローンの金利が高くなる
・メンテナンス費用の積み立てが必要

中古マンションを買ってリフォームすると、新築マンションよりも予算を抑えながら、希望に沿った間取りや内装を実現できるのがメリットです。また、立地の選択肢が広がったり、機能や性能の向上に予算をかけられます。

デメリットとしては、住み始めるまでに時間がかかったり、構造や管理規約によっては希望通りのリフォームができないことです。また、工事に着工してから修繕すべき点が出てきたりすることもあるため注意が必要です。

上記で紹介したメリット・デメリットを比較し、中古マンションのリフォームを検討してみてください。また、資金計画を立てる際は想定外の修繕費が発生するケースを考慮し、余裕を持たせておきましょう。

中古マンションをリフォームする際の4つの注意点

中古マンションをリフォームする際の注意点は以下4つ挙げられます。

下記で詳しく解説していくので、確認して後悔のないリフォームを実現しましょう。

①希望通りのリフォームができない場合がある

リフォームのイメージや希望のプランがある程度決まっている場合は、希望に沿ったリフォームができるかチェックしておきましょう。

マンションの中には、耐震性を考慮して壁が撤去できなかったり、配管が動かせなかったりする場合があります。結果的に希望通りにリフォームできないケースも少なくありません。

また、マンションの構造によっては、必ずしも好みの間取りにできるとは限りません。マンションの構造には、建物を壁で支える『壁式構造』と柱と梁で支える『ラーメン構造』があります。

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構造間取りの自由度
RC構造(鉄筋コンクリート造)壁式構造:△
ラーメン構造:○
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)壁式構造:△
ラーメン構造:○
S造

壁式構造の場合、建物全体のバランスが崩れて耐震性が低くなる恐れがあることから、撤去できない間仕切り壁があります。マンションでは、希望に沿った間取りにリフォームできない可能性があることを覚えておきましょう。

②管理規約を確認しておく

どんなリフォームを行うにしても、管理規約に反するものであれば工事はできません。そのため、リフォームする際は管理規約の内容を確認しておくことが重要です。

管理規約に反しているのか分からないという場合は、マンションのオーナーに確認を取ることが大切です。また、リフォームプランを立てる際には、リフォーム会社に相談しながら決めるようにしましょう。

③床材は防音仕様を選ぶ

マンションは騒音トラブルがつきものです。騒音トラブルを防ぐためにも、防音仕様のものを選んでおくと良いでしょう。通常の床材にし、その上にクッション性のあるものを敷くのもひとつの方法です。

また、マンションには、床材の防音レベル(遮音等級)が決められています。床をリフォームする際は、マンションの規約などをチェックし、新しい床材を選びましょう。

④共用部はリフォームできない

マンションには住人が利用する共用部があります。共用部にはエレベーターや室外の階段、駐車場などが含まれます。この共用部は、個人でリフォームできないため注意してください。

また、共用廊下に面する玄関ドアの外側部分やベランダと繋がる窓なども共用部として扱われます。ただ、内窓に関しては室内側(専有部)と見なされるため、リフォームの許可が降りるケースもあります。

▼リフォームできない箇所

  • 玄関のドアやサッシの変更
  • 給排水管やガス配管の移動
  • 耐震性能の向上など

いずれの工事も建物のルールによって異なるため、管理会社に確認しておきましょう。

中古マンションのリフォームで利用できる補助金制度

中古マンションのリフォームでは、補助金制度を活用することで費用を大幅に削減できます。利用できる補助金制度には以下のようなものがあります。

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制度内容補助額
こどもみらい住宅支援事業新築住宅の取得やリフォームをした・子育て、若夫婦世帯:30~45万円
・その他の世帯:20~30万円
既存住宅における断熱リフォーム支援事業高断熱建材を使用した断熱改修・戸建て住宅:120万円/戸を上限とし、対象費用の1/3以内を補助
・集合住宅:15or20万円/戸を上限とし、対象費用の1/3以内を補助
次世代省エネ建材の実証支援事業次世代省エネ建材を使用した断熱改修最大400万円
先進的窓リノベ事業窓の高断熱化を促進するため、改修にかかる費用の一部を補助上限:200万円/戸
・ガラス交換:5千~5万円/枚
・内窓の設置:2~11万円/箇所
・外窓の設置
→カバー工法:4万~26万円/箇所
→はつり工法:4万~26万円/箇所
・玄関ドア交換
→カバー工法:4万~26万円/箇所
→はつり工法:4万~26万円/箇所

制度にはそれぞれ細かい条件が定められています。クリアしていないと制度を利用できないので注意しましょう。

上記の制度を利用することで、少しでもリフォーム費用を抑えられます。ただし、予算がなくなり次第、期限を待たずに受付終了となってしまう制度もあるため、利用を検討している場合は事前に確認しておきましょう。

中古マンションのリフォームはリノベーションハイムにおまかせください

中古マンションをリフォームするなら、リノベーションハイムにおまかせください。リノベーションハイムには豊富なリフォーム実績があり、中古マンションのリフォームも数多く手掛けています。

過去にマンションのリフォームも多数経験しており、管理規約や予算も考慮し、要望に沿ったリフォームプランを提案しています。リフォームプラン以外にも、活用できる補助金制度や減税制度にも詳しく丁寧にお応えしています。

現在、無料相談も実施しているので、興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。

まとめ

本記事では、中古マンションのリフォームのやっておくべき工事や費用相場、注意点などについて詳しく解説しました。中古マンションのリフォームでは、注意すべきことがいくつかあります。

後悔しないためにも、事前に必ずチェックしておきましょう。また、中古マンションのリフォームでは、補助金制度が利用できる場合もあります。こちらもあわせてチェックしておきましょう。

本記事があなたのお役に立てることを願っております。

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