中古住宅のリフォームを検討しているものの「後悔や失敗する結果になったらどうしよう」と悩んでいる方も少なくないでしょう。中古住宅のリフォームは快適に暮らすために最適ですが、デメリットもあります。
そのため、中古住宅をリフォームする際には事前にデメリットを知り、少しでも後悔や失敗するリスクを下げることが重要です。
そこで、本記事では、中古住宅のリフォームのデメリットと失敗を防ぐための方法を解説していきます。あわせて、施工事例も紹介しているので、中古住宅のリフォームを検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
中古住宅をリフォームする5つのデメリット
中古住宅をリフォームするデメリットは以下5つ挙げられます。
下記で詳しく解説していくので、注文住宅をリフォームするかの判断材料にしてみてください。
①想定外の補修工事が発生しやすい
中古住宅といっても、築年数や物件の状態が違うため一概には言えませんが、中古住宅は補修工事が発生しやすいです。表面的に問題ないと思っても、壁や床を解体すると想定していない損傷や不具合が見つかることもあります。
リフォーム完了後も新築住宅と比べて、設備や機材の故障リスクが高く、修繕費用が発生する場合もあります。また、リフォームで交換できない設備や機材、建材もあるため注意が必要です。
中古住宅のリフォームを検討する際は、事前に施工会社に確認しておくと良いでしょう。
②築年数が経っているため、住宅性能が劣化している恐れがある
中古住宅をリフォームする際は、築年数や建物の状態を必ず確認しておきましょう。なぜなら、建築基準の改正により耐震性や住宅性能の基準が上がっているため、築年数が経っている物件は基準が低い恐れがあるからです。
中古住宅はすでに建っているため、基礎部分や梁、シロアリなどの状況が確認できません。状況によっては、耐久性や耐震性など住宅性能の部分も劣化している可能性もあります。
住宅内部はリフォームできない部分もあるため注意が必要です。放置すると住み始めてから追加で修繕が必要になり、手間も費用もかかってしまいます。
また、耐震基準を満たしていない場合は、現在の耐震基準を満たすために追加の耐震対策が必要です。特に1981年6月以前の耐震基準で建てられた住宅は要注意です。旧耐震基準で建築確認が行われていた場合は、専門家にチェックしてもらいましょう。
③物件によって間取りの自由度が低い
中古物件は、物件によって間取りの自由度が低いのがデメリットです。建物の構造によってはリフォームできる内容に制限が出てしまいます。
1970年〜1980年代に主流だった間取りは、現代において生活動線や家事動線の使い勝手が悪い恐れがあります。また、築30年以上の物件では、木造や軽量鉄骨造の低耐用年数を超えているため、構造的な劣化や価値の減少は否めません。
特に中古マンションの場合は、リフォームできる専有部とリフォームできない共有部があることに気をつけましょう。共有部分には、外廊下や階段、隣室との境界にある壁や床、天井、サッシの窓枠などが含まれます。
共用部分は他の住人と共有していることから、自由にリフォームできません。このように、築年数が経っている物件は構造的にリフォームが難しかったり、リフォームでどこまで改善できるのかの判断が難しいため、事前に把握しておきましょう。
④入居までに時間がかかる
新築物件はすでに完成している場合が多いため、契約から引渡しがスムーズに進むと、すぐに住み始められます。しかし、中古住宅をリフォームする場合は、『物件購入→建物検査→設計→施工→引渡し』と進むため、入居までに4〜7カ月ほどかかります。
また、リフォームに対して、コンセプトやイメージに強いこだわりがあると、打ち合わせ時間が必要です。結果、リフォームが完了してから入居までに時間がかかってしまいます。
他にも、リフォームの内容によっても入居までの時間は長くなります。大規模なリフォームだと、工事だけで2~3カ月かかります。現地調査や見積もり比較、リフォーム内容の検討などを考慮すると、入居までは半年〜1年と考えておくと良いでしょう。
⑤ローンの条件が厳しい傾向がある
中古住宅を購入してリフォームする場合、住宅ローンや他のローンを利用する方がほとんどです。この住宅ローンを利用するためには、以下のような条件をクリアしておかないといけません。
- 建築確認日が昭和56年6月1日以降
- 耐火構造、準耐火構造に適合している
- 土台、床組等に腐朽や蟻害がない
中古住宅は建物価値が新築住宅と比べて低いため、担保力が低く、審査が厳しいです。審査に通っても融資額が少なかったり、返済期間が短いのが一般的です。
住宅ローンの利用条件は金融機関によって異なるため、利用を検討している金融機関に相談することをおすすめします。購入する前に、住宅ローン審査を行い、どれくらい借りられるかを確認しておきましょう。
中古住宅をリフォームする3つのメリット
中古住宅をリフォームするメリットは以下3つ挙げられます。
下記で詳しく解説していきます。
①新築よりも価格が安い
中古住宅のリフォームは新築住宅を購入するよりもコストを抑えられるのがメリットです。物件価格は築年数に比例しており、木造住宅の場合、築20年を目安に価値がほぼゼロになります。そのため、20〜30%ほどコストが削減できます。
また、中古住宅のリフォームは建物の基礎や構造などを残し、活かせる部分は活用するという設計が可能です。そのため、新築住宅よりも費用を抑えて理想の家づくりができます。
重視したい部分に予算をかけ、こだわりがない部分は既存利用するなど、メリハリをつけた設計が実現できます。
②物件の選択肢が増える
中古住宅では、物件を探す際に総面積の広さや間取りの種類、立地など選べる選択肢が豊富です。すでに住宅が建っている土地は、交通アクセスや施設が揃っていることが多く、利便性に優れている傾向にあります。
そのため、新築を建てる土地を探すよりも好条件の立地を見つけやすいです。自分たちの条件に近いものを選び、リフォーム設計でより好みを加えると、ほぼ注文住宅のような家づくりができます。
③完成後のイメージをしやすい
中古住宅のリフォームは、実際に建物を見ることができるため、完成後をイメージしやすいのがメリットです。内観を変えたとしても、日当たりや窓から見える景色、近隣住宅との距離は変わりません。
家づくりでは「思っていたイメージと違った」「ここを違う仕様にしていれば良かった」ということがよくあります。中古住宅では、実際に見てリフォームする箇所を決められるため、土地の条件を十分に活かした住宅設計が可能です。
中古住宅は、内装や外装・水回りなども自分の目で見て確認できるため、生活動線や間取り・デザインもイメージしやすいです。施工会社との設計もスムーズに進められます。
中古住宅のリフォームで失敗しないための4つの対策
中古住宅のリフォームで失敗しないための対策を以下4つ紹介します。
下記で詳しく解説していくので、これから中古住宅をリフォームする際の参考にしてみてください。
①余裕のある資金計画を立てる
物件を探し始める前に、まずは資金計画を立てましょう。物件購入費用やリノベーション費用、諸費用を考慮し、余裕のある予算を立てることが大切です。
用意できる自己資金や、住宅ローンを借りる場合は毎月の返済額から逆算して考えるとスムーズです。
資金計画を立てる際は、設備の修繕費や耐震工事費、インテリアの購入費などの費用を含めるのを忘れないようにしましょう。万が一、何か追加で費用が発生することも考え、余裕を持たせておくのがポイントです。
②建物の状態を確認する
中古住宅をリフォームする際、建物の構造部分の修繕、耐震強度を高めるために高額な費用が発生してしまい、予算オーバーとなるケースもあります。また、工事が増える分、工期も延びます。
そのため、中古住宅をリフォームする際は、以下の点をチェックしてみてください。
- 地盤や建物が傾いていないか、歪んでいないか
- カビや黒ずみ、蟻害はないか
地盤や建物の傾きや歪みは、床下収納か点検口で確認できます。ボールを使ったり、傾きを計測するアプリを利用すると分かりやすいです。
カビや黒ずみがある場合は、断熱材や防湿材が劣化している恐れがあります。人間の健康に害を及ぼす影響もあるため、壁だけでなく、押し入れや床下なども確認しておきましょう。
建物の状態を確認する方法として、ホームインスペクション(住宅診断)がおすすめです。構造の不具合や雨漏りの形跡など第三者によりチェックが受けられます。
費用はかかりますが、受けておくことで追加修繕やリフォーム後すぐに修繕が必要などのリスクを軽減できます。
③周辺状況は希望に合っているか確認
建物の状態ばかりを気にしてしまいがちですが、住む環境も大切です。買い物のしやすさや施設などの利便性、周りの住宅の雰囲気、治安など希望に合った環境かどうか確認を忘れないようにしましょう。
不動産会社からもらった地図や間取り図などの資料ばかりを見るのではなく、実際に現地に足を運んでみてください。実際に足を運ぶことで、暮らしをより鮮明にイメージできます。訪れる際は、曜日や天気、イベントなど日を変えてみるのがおすすめです。
リフォームが完成したけれど、環境が合わず住み心地が合わないなどということが起きてしまっては意味がありません。そのため、周辺の環境も住宅購入前に確認しておきましょう。
④受けられる税金の優遇
住宅購入と同じように、リフォームでも税金などの優遇制度を受けられる場合があります。所得税の場合は投資型減税、ローン型減税、住宅ローン減税の3つです。
中古住宅のリフォームで受けられる減税・補助金制度は以下のようなものがあります。
- 子育てエコホーム支援事業
- 先進的窓リノベ2024事業
- 給湯省エネ2024事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 次世代省エネ建材の実証支援事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 住宅エコリフォーム推進事業
- 各自治体の既存住宅リフォーム・リノベーション支援制度
それぞれ築年数やリノベーション内容に条件が定められているため、購入前に確認しておきましょう。
中古住宅をリフォームした施工事例3選
中古住宅をリフォームした事例を3つピックアップして紹介します。
下記で画像とともに解説していくので、中古住宅のリフォームを考える参考にしてみてください。
【埼玉県・2,450万円】
こちらは、埼玉県にある中古住宅をリフォームした方の事例です。創造力を高める変化にとんだ空間構成が魅力です。視覚にこだわり、生活感は上手に隠されています。
海外の邸宅のような華やかなエントランスホールは、天窓から降り注ぐ光が心地よく、さりげなく置かれた絵画やストープが施主様のこだわりです。
自宅で仕事されることが多い夫婦の視覚を大切にしたいという思いから、余計なものを置かず、大きな家具や大判のタイルなどインテリアが映える開放的な空間に仕上げられています。
【東京都・3,170万円】
こちらは東京都にある中古住宅をリフォームした方の事例です。今の生活観を大切にしながら、より快適に暮らしたいという思いがあり、リフォームされています。
日常感じている不便や不満を解消するため、ストレスのない動線計画を立て、家事効率を向上させたり、収納計画などについて話し合い作られています。
柱のない大空間を活かしたメインリビングは、無駄なものを取り除き、機能美にこだわっているのもポイントです。窓廻りを壁の色に近いバーチカルブラインドにし、広がり感と高さが演出されています。
【横浜市・3,000万円】
こちらは横浜市にある住まいをリフォームした方の事例です。3世代がゆとりを持って健康で快適に、楽しく暮らせるモダンな住まいに仕上がっています。
L・DKの分離型から約22畳の一体型に変更したLDKは、住まいの中心になっています。木の素材感を生かした空間にアクセントウォールをプラスし、3世代が心地よく暮らせる空間に仕上がっています。
北側のキッチンにはトップライトを設けられており、明るく清潔感のある空間に変貌しているのもポイントです。LDKの天井まわりやTVボードに間接照明を仕込み、空間を立体的にライティングすることで広がりが感じられます。
リフォームはリノベーションハイムにおまかせください
リフォームするなら、リノベーションハイムにおまかせください。リノベーションハイムには、過去に豊富なリフォーム実績があり、中古住宅のリフォームも数多く手掛けてきました。
そのため、あなたの悩みに適したリフォームプランの提供が可能です。無料相談も実施しているため、興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。
まとめ
本記事では、中古住宅をリフォームするデメリットや失敗しないための対策方法について解説しました。リフォームする際はデメリットや後悔・失敗例を参考にし、対策をすることが大切です。
また、リフォームする中古住宅を選ぶ際は、リフォーム可能な物件なのか、周辺環境は希望に近しいかなども考慮して選びましょう。中古住宅をリフォームした参考事例も上記で紹介しているので、参考にしてみてください。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。