お風呂のバリアフリーリフォームは何をすればいい?費用や注意点まで紹介

お風呂バリアフリーリフォーム
主婦Aさん

お風呂のバリアフリーリフォームって何がある?
かかる費用はどのくらいかな?

65歳以上の浴槽における事故件数は、交通事故よりも多いという事実をご存知でしょうか。お風呂は、ほぼ毎日使用する場所でありながら、多くの危険が潜む場所でもあります。

だからこそ、将来のことを考えてなるべく早めにバリアフリーリフォームを行うことがおすすめです。とはいえ、具体的に何をどうすればいいのかイメージがつかないという方も多いはずです。

そこで本記事では、お風呂のバリアフリーリフォームにおすすめの方法を、かかる費用や注意点を交えて紹介します。あわせて、お風呂のバリアフリーリフォームの事例や体験談も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

なお、そもそもバリアフリーリフォームとは何かを知りたい方は次の記事をご覧ください。

この記事の要約
  • お風呂での事故は交通事故の2倍以上起きているためバリアフリーリフォームが重要
  • バリアフリーリフォームでは、出入りしやすい浴槽に変えたり、滑りづらい床材に交換することが効果的
  • 浴室発信機やシャワーキャリーがお風呂のバリアフリー化の際にあると便利
  • お風呂のバリアフリーリフォームを実施する際には脱衣所の暖房設備も検討する

※なお、本記事では厚生労働省国土交通省消費者庁などの情報を参考に記事を制作しています。

井東祥郎 監修者

一級建築士 / 一級建築施工管理技士

井東祥郎

東京セキスイファミエス技術責任者
セキスイハイムの新築設計担当として27年間従事。現在は技術責任者として、お客様のリフォームの設計・施工に貢献している。

目次

実は…交通事故よりも多いお風呂の事故

交通事故よりも多いお風呂の事故
出典:消費者庁

先述したように、消費者庁が警告するほど、お風呂の事故は多い事実があります。実のところ、お風呂での事故は交通事故の2倍以上起きています。

だからこそ、お風呂の対策が欠かせません。お風呂での事故防止対策の1つに、バリアフリーリフォームがあります。

お風呂のバリアフリーリフォームでは、転倒防止に重点が置かれるものの、脱衣所と浴室の温度差を最小限にすることも大切です。

脱衣所と浴室の温度差が大きければ、ヒートショックが起こりやすくなります。ヒートショックとは、急激な温度差により血圧が変動することで引き起こされる健康被害のことです。

ヒートショックにより脳卒中や心筋梗塞などが起こりやすくなるため、健康面を意識したお風呂の対策が必要です。健康面を意識しつつ、安全で安心して入浴できるように、次の見出しではお風呂のバリアフリーリフォームの方法を紹介します。

お風呂のバリアフリーリフォームの方法

ここからは、お風呂のバリアフリーリフォームの方法を、8つ紹介します。

出入りしやすい浴槽に変える

リノベーションハイムの施工事例

お風呂のバリアフリーリフォームでは、出入りしやすい浴槽に変えることがおすすめです。出入りしやすい浴槽に変えれば、転倒を防止でき安全な入浴が可能です。

たとえば、洗い場よりも浴槽が深い落とし込みタイプや腰掛付きの浴槽に交換することがおすすめです。落とし込みタイプの浴槽にすると、洗い場と浴槽の段差が30〜40㎝程度にできるため、出入りしやすく安全です。

また、腰掛付きの浴槽ではまたぐ必要がなく、バランスを崩す心配もありません。

手すりを設置して動作をサポートする

リノベーションハイムの施工事例

手すりを設置して動作をサポートすることも、お風呂のバリアフリーリフォームの方法の1つです。お風呂に手すりを設置すると、安定した動作をサポートできます。

手すりの設置場所は、次の場所がおすすめです。

お風呂でおすすめな手すりの設置場所
  • 浴槽の出入口
  • 洗い場
  • 浴槽の縁や中

お風呂の中でバランスを崩しやすい場所や、立ち座りが必要なところなどに手すりの設置を検討しましょう。使用者の身体状況にあわせて、お風呂の適切な場所に設置するのが賢明です。

滑りづらい床材に交換する

リノベーションハイムの施工事例

お風呂のバリアフリーリフォームでは、滑りづらい床材に交換できます。滑りづらい床材に変更すると、お風呂の中で転倒しづらくなります。お風呂の床材には3種類あり、各特徴は次のとおりです。

お風呂の床材の種類特徴
シート床材低コストでDIYでも実施できる
タイル床材デザイン性に優れ、冷たくなりづらいものもある
樹脂床材保湿性や耐久性に優れる

各床材とも、滑りづらい素材のものがあります。ただし、タイルなら汚れや割れが生じた場所のみの交換が可能です。また、樹脂は性能が良く導入コストが高い傾向があります。

床材の種類によりメンテナンス方法が異なるため、使い勝手の良いものを選びましょう。

出入口の段差を解消する

浴室すのこ
出典:モノタロウ

出入口の段差を解消することも、お風呂のバリアフリーリフォームの方法の1つです。出入口の段差を解消すれば、バランスを崩す心配がありません。

出入口の段差解消には「浴室すのこ」を設置するのが一般的です。ただし、一部のみ設置するとずれて転倒したり、ずれた「すのこ」の間に足が入りケガをする恐れがあります。

可能な限り、洗い場の全面に「浴室すのこ」を敷くことがおすすめです。もし、サイズがあわない場合にはオーダーメイドでの注文もできます。

浴室暖房を設置してヒートショックを予防する

浴室暖房

お風呂のバリアフリーリフォームでは、浴室暖房を設置してヒートショックの予防ができます。お風呂に浴室暖房を設置すると洗い場と浴槽の温度差を小さくでき、ヒートショックが起こりづらくなります。

浴室暖房は後付けが可能で、天井に設置します。暖房だけでなく、換気や衣類乾燥などさまざまな機能がついており便利です。

浴槽のお湯は温かいものの、洗い場は寒いことが原因でヒートショックが起こりやすくなります。そこで、浴室暖房を設置して入浴前に暖房を付けると、洗い場も温かくなりヒートショックが起こりづらくなるのです。

バスリフトを設置して立ち座りをサポートする

バスリフト
出典:TOTO

バスリフトの設置も、お風呂のバリアフリーリフォームの方法の1つです。バスリフトを設置すれば、浴槽への出入りや浴室内の立ち座りをサポートできます。

バスリフトとは、自動で昇降する入浴用のリフトです。浴槽の縁にバスリフトを設置して、リモコンで操作ができます。

バスリフトを設置すると、足腰が不自由な方でも自力で入浴が可能になる場合もあるのです。もし、介助が必要な場合でも、自動で昇降するため介助者の負担を軽減できます。

開閉しやすいドアへ交換する

リノベーションハイムの施工事例

お風呂のバリアフリーリフォームでは、開閉しやすいドアに交換することも効果的です。開閉しやすいドアに変更すると、安全に入浴ができます。お風呂のドアには次の3種類あり、各特徴は次のとおりです。

お風呂のドアの種類特徴
開き戸お風呂の中や外にスペースがないと開けない
折れ戸前に押す力や後ろに引く力が必要であり、バランスを崩しやすい
引き戸お風呂内のスペースを有効に活用できる

お風呂のドアは使用者の身体状況にあわせて選ぶのが良いものの、引き戸がおすすめです。引き戸なら、勝手にドアが閉まることはなく、安全に入浴ができます。

間取りの変更によりお風呂と脱衣所のスペースを確保する

リノベーションハイムの施工事例

間取りの変更も、お風呂のバリアフリーリフォームで実施できる方法です。間取りの変更をすると、お風呂と脱衣所に広めのスペースを確保できるため、安全な入浴が可能です。

間取りの変更では、隣接する脱衣所の一部をお風呂のスペースにしたり、廊下の一部を活用することもできます。また、よりスペースを確保するためにリビングといった場所へ大きく移動させることも可能です。

お風呂や脱衣所にスペースを確保できると、介助者の負担が軽減できます。加えて、介護用の椅子などを置くスペースの確保もできるのです。

お風呂のバリアフリー化であると便利な介護用品

お風呂のバリアフリーリフォームに加えて、生活の不便さを解消できる介護用品もあります。そこで、ここからはお風呂のバリアフリー化の際にあると便利な介護用品を、3つ紹介します。

お風呂のバリアフリー化であると便利な介護用品

浴室発信機

浴室発信機
出典:モノタロウ

お風呂のバリアフリー化の際にあると便利な介護用品に、浴室発信機があります。浴室発信機があれば、お風呂内で何かあった際にすぐ同居人へ伝えられるため、安心して入浴ができます。

浴室発信機とは、配線が不要な緊急用の連絡ボタンです。浴室発信機をお風呂に設置し、リビングなどに受信機をおけば、音と光でお知らせできます。

同居人は受信機の近くにいれば、何か起きた際にすぐお風呂へ駆けつけられるのです。浴室発信機があれば、使用者のみならず同居人にも安心感を与えられます。

シャワーキャリー

シャワーキャリー
出典:モノタロウ

シャワーキャリーも、お風呂のバリアフリー化の際にあると便利な介護用品の1つです。シャワーキャリーがあれば、安全にお風呂まで移動できます。

シャワーキャリーはキャスターがついて移動が可能な入浴用の椅子です。歩行が困難な場合にベッドからシャワーキャリーに乗り、そのままお風呂に入れます。

入浴後も脱衣所までシャワーキャリーで移動できるため、安心・安全な入浴が可能です。歩行が困難な場合には、シャワーキャリーを検討するといいでしょう。

バスボード

バスボード
出典:モノタロウ

お風呂のバリアフリー化の際にあると便利な介護用品の1つに、バスボードもあります。バスボードがあれば、体勢を崩す心配がありません。

バスボードとは、浴槽の縁に設置する台のことです。浴槽をまたぐのが困難な人が台に腰をかけた状態で足を浴槽に入れ、しゃがむように浴槽に入ります。

台に座った状態で入浴が可能なため、バランスを崩すことはなく安心なのです。もし、浴槽をまたぐことに不安を抱えているなら、バスボードを検討することをおすすめします。

お風呂のバリアフリーリフォームにかかる費用

お風呂のバリアフリーリフォームには、次のような費用がかかります。

風呂のバリアフリーリフォームの種類費用相場
浴槽の交換・ユニットバスの交換:70~100万円程度
・従来の浴槽交換:20~40万円程度
手すりの設置・I型:1~2万円程度
・L型:2~3万円程度
床材の交換・シート床材:5~15万円程度
・タイル床材:10~20万円程度
・樹脂床材:15~30万円程度
段差の解消5~30万円程度(オーダーメイドを含む)
浴室暖房の設置・新規導入:10~30万円程度
・交換:5~10万円程度
バスリフトの設置15~30万円程度
ドアの交換
(カバー工法)
・開き戸:5万円程度
・折れ戸:7万円程度
・引き戸:10万円程度
間取りの変更100万円~(場所や規模による)

お風呂の大きさやリフォームの規模により、金額が異なります。より詳細な費用を知りたい場合には、リフォーム会社へ相談するのが賢明です。

お風呂のバリアフリーリフォーム実施者の体験談

体験談

ここからは、お風呂のバリアフリーリフォーム実施者の体験談を紹介します。

足を怪我して一歩も歩けなくなってるんだけど、バリアフリーの重要さを痛感した。

松葉杖ないと何もできない。トイレの扉開けられないし、たった2センチの高さの敷居を越えられない二階へ行けない……。お風呂トイレの手すりのありがたさや🙏

みんな年取る前にバリアフリーにリフォームしよ……

引用:X

元々の浴槽がバスリフトに対応してなくて、良い機会だからお風呂場を丸ごとリフォームしたんだけど、バリアフリー観点以外でも標準の製品自体が改善されていることによって、1人で安全にできる動作が増えた。例えば、、

引用:X

あぁ〜🫧

彼の実家のお風呂とても気持ちが良かった☺️思わず鼻歌が出ちゃうくら気持ちが良いお風呂、というかお風呂場。彼のお母さんが自宅療養となって病院から戻る前、バリアフリーにリフォームしてあるから風呂場・脱衣所・洗面所、かなり広い。

引用:X

お風呂のバリアフリーリフォームで手すりの設置や浴室・脱衣所が広く、安全に入浴ができたといった口コミが多くあります。お風呂のバリアフリー化により自力で入浴が可能になれば、自信につながるうえに、介助者の負担が減るのです。

お風呂のバリアフリーリフォームを実施する際の注意点

お風呂のバリアフリーリフォームで失敗を防ぎ、より効果的な方法を知れば、適切な対策を取れます。そこで、ここからは、お風呂のバリアフリーリフォームを実施する際の注意点を、3つにまとめて紹介します。

補助金の利用を忘れない

補助金

お風呂のバリアフリーリフォームでは、補助金の利用を忘れないことが重要です。補助金を利用すれば、費用を抑えてリフォームを行えます。お風呂のバリアフリーリフォームで利用できる補助金は、次のとおりです。

補助金の種類最大の補助額
介護保険による住宅改修18万円
長期優良住宅化リフォーム推進事業210万円
自治体が実施する補助金自治体による

介護保険による住宅改修または長期優良住宅化リフォーム推進事業と自治体が実施する補助金は、併用できる可能性があります。可能な限り補助金を活用して、かかる費用を最小限にするのが賢明です。

脱衣所の暖房設備も検討する

お風呂のバリアフリーリフォームでは、脱衣所の暖房設備も検討しましょう。脱衣所を温めると、ヒートショックの予防になります。

お風呂の中は浴室暖房で暖められるものの、脱衣所は暖房設備を導入しなければ寒いままです。ヒートショックは急激な温度差で生じやすく、お風呂が温かいほど脱衣所の寒さがリスクになります。

そのため、脱衣所にハロゲンヒーターの導入やエアコンの設置を検討するのが賢明です。お風呂とともに脱衣所への暖房設備も検討しましょう。

リフォーム期間はお風呂が使えない

お風呂のバリアフリーリフォームを行うと、リフォーム期間中はお風呂が使えません。お風呂が使えない間の入浴をどうするのかを考えておく必要があります。

手すりの設置やドアの交換なら、リフォームが1日で完了します。ただし、水回りの移動を伴う間取りの変更を実施する場合には、一週間ほどかかることもあるのです。

リフォーム内容次第では長期間お風呂が使えないこともあるため、リフォームを行う時期を検討することも大切になります。

お風呂のバリアフリーリフォームならリノベーションハイムにご相談ください!

リノベーションハイムの施工事例

お風呂のバリアフリーリフォームなら、リノベーションハイムにおまかせください。

リノベーションハイムは現地調査をしたり、お客様のご要望をお伺いして、適切なリフォームプランを提案します。お風呂内のリフォームはもちろん、リビングからお風呂までの生活動線を考えて快適に暮らせるリフォームも可能です。

また、補助金を活用したプランの提案もできるうえに、アフターサポートも充実しています。万が一、不具合や問題点が起きた際に保証範囲内で迅速な対応が可能です。

お風呂のバリアフリーリフォームを検討するなら、ぜひお気軽にリノベーションハイムにお問い合わせください。

リノベーションハイムのお風呂バリアフリーリフォーム事例

リノベーションハイムの施工事例を確認すれば、お風呂のバリアフリーリフォームのイメージが湧きやすくなります。そこで、ここからはリノベーションハイムのお風呂バリアフリーリフォームの事例を、2つ紹介します。

リノベーションハイムのお風呂バリアフリーリフォーム事例

事例①【1,735万円/築16年/神奈川県】

お風呂を2階へ移動させて生活動線を快適にしたリフォーム事例です。

脱衣所とお風呂を2階に移動して、バルコニーに面したランドリールームを作りました。脱衣所には洗濯機を設置し、作業台を置くことで洗濯物を洗う・干す・たたむ・片付けるを2階で完結できます。

また、お風呂を2階へ移動させたことで寝室からお風呂までの動線が良くなり、生活がしやすくなりました。

事例②【1,862万円/築28年/東京都】

水回りを一新させて快適な生活を実現したリフォーム事例です。

お風呂には手すりを設置して、安全に入浴できるようにしています。また、身体状況にあわせて、リビングやトイレもバリアフリー設計にしました。

お風呂のみならず、リビングやトイレなどもリフォームし、安心・安全に生活できる環境を整えています。

まとめ

本記事では、お風呂のバリアフリーリフォームの方法について紹介しました。実のところ、お風呂の事故は多い事実があります。

お風呂での転倒やヒートショックなど、多くの事故が起きています。そこで、安全に入浴するためにもお風呂のバリアフリーリフォームは欠かせません。

使用者の身体状況に応じて、適切なお風呂のバリアフリーリフォームを検討しましょう。本記事があなたのお役に立てることを願っております。

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事は、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で住まいのリフォームを行う「リノベーションハイム」を運営する東京セキスイファミエス株式会社が制作しています。

当メディア「リノベーションハイム」を運営する東京セキスイファミエス株式会社は「全国コンテスト」の受賞歴が多数あり「TVチャンピオン」などのメディアにも出演しています。

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