
マンションってバリアフリーリフォームできるの?
どのくらいの費用がかかるのかな?
年齢を重ねて、室内の段差につまづきやすくなったり、浴槽が深くて入りにくかったりなど、現在の家に住みづらさを感じる方もいるでしょう。いままで問題なく暮らしていた家も、高齢になるにつれて不便さを感じるようになるものです。
そのままにしておくと、いつかケガをしてしまう恐れがあります。そこでおすすめなのがマンションのバリアフリーリフォームです。
本記事では、マンションのバリアフリーリフォームを実施すべき箇所や費用を紹介します。あわせて、押さえておくべきポイントや費用を抑える方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- マンションでもバリアフリーリフォームはできる
- マンションでは手すりの設置や段差の解消などのリフォームが実施可能
- リフォーム費用を抑えるには補助金や減税制度を活用することがおすすめ
- マンションのリフォーム時には管理規約を守ることが重要
※なお、本記事では環境省の「子育てグリーン住宅支援事業」の国土交通省の情報を参考に記事を制作しています。


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マンションでもバリアフリーリフォームはできる?
マンションは集合住宅であり、バリアフリーにするリフォームを実施しても良いのか疑問に思っている方もいるでしょう。結論、マンションでもバリアフリーリフォームは可能です。
マンションの各部屋は専有部であり、室内の空間や設備を自由にリフォームできます。具体的には、マンションのバリアフリー化の際は、次のようなリフォームを行います。
- 段差の解消
- 手すりの設置
- 引き戸へ交換
- 間取りの変更
- ユニットバスへの交換
- 洗面台の交換
注意すべきこととして、マンションのバリアフリーリフォームには、戸建てよりも制約があることです。例えば、マンションではバルコニーや窓などは共用部である場合が多いです。
共用部は、建物の構造や外観に影響がでる場所であり、多くのマンションではリフォームが認められていません。
マンションでバリアフリーリフォームを実施するなら、管理規約を確認したうえでリフォーム業者に相談するのが賢明です。とはいえ、マンションの構造上、専有部でも段差の解消や間取り変更が難しい場所があります。
「知らなかった…」とならないように次に見出しでマンションのバリアフリーリフォームで気を付けるポイントをおさえておきましょう。
マンションのバリアフリーリフォームで押さえておくべきポイント
ここからは、マンションのバリアフリーリフォームで押さえておくべきポイントを、2つ紹介します。
段差を解消できない場合もある
マンションのバリアフリーリフォームでは、段差を解消できない場合があります。とくに、築年数の古いマンションでは床下スペースに限りがあるため、配管の勾配を確保できなければ段差の解消ができません。
配管の勾配を確保できないと排水が配管内に留まり、悪臭や詰まりなどの原因になります。ただし、最近のマンションでは水回り付近の床下スペースをあらかじめ確保した設計にしており、フラットな床でも配管の勾配を作りやすいです。
築年数の古いマンションの場合は、トイレや洗面台付近の床下スペース次第では段差の解消ができないことを覚えておきましょう。
住宅全体の床を高くしなければならないこともある
住宅全体の床を高くしなければならないことがある点も、マンションのバリアフリーリフォームで押さえておくべきポイントの1つです。床下スペースに限りがあるマンションで段差を解消するなら、住宅全体の床を高くして配管の勾配を確保する方法もあります。
ただし、それほど天井高でないマンションで床全体を上げると、天井が近くなり圧迫感を感じる可能性があります。段差が解消し快適に暮らせる反面、圧迫感を感じると精神的にストレスを抱えることもあるのです。
住宅全体の床を高くする際には、リフォーム会社との相談が欠かせません。
マンションのバリアフリーリフォームにかかる費用
マンションのバリアフリーリフォーム費用を把握しなければ出費に悩みかねないため、事前に確認するのが賢明です。マンションのバリアフリーリフォームには、次のような費用がかかります。
バリアフリーリフォームの内容 | 費用相場 |
---|---|
段差の解消 | スロープの設置:1~20万円程度/箇所 敷居の撤去:5~7万円程度/箇所 床の嵩上げ:5~20万程度/箇所 |
手すりの設置 | 廊下:1万円程度/m 階段:5~10万円程度(片側) 浴室・トイレ(I型またはL型):3万円程度/箇所 |
引き戸へ交換 | 10~40万円程度/箇所 |
間取りの変更 | 部分的な壁の撤去:20~50万円程度/箇所 間取り変更の希望次第では100~500万円程度 スケルトンリフォームで大規模に実施:1000万円以上 |
ユニットバスへの交換 | グレードにより50~200万円程度 |
洗面台の交換 | 30~50万円程度 |
マンションのバリアフリーリフォームでは、騒音や振動により近隣住民に迷惑がかかることがあります。可能な限りまとめてリフォームを実施するのがおすすめです。
マンションで実施可能なバリアフリーリフォームの内容
将来を見据えた快適な住宅にリフォームしたい方もいるでしょう。そこで、ここからはマンションで実施可能なバリアフリーリフォームの内容を、6つ紹介します。
段差の解消


段差の解消は、マンションで実施可能なバリアフリーリフォームの1つです。年齢を重ねて筋力が衰えたり足腰が不自由な方でも、段差を解消すれば安全に暮らせます。段差の解消により、転倒防止や移動のしやすさが期待できます。
マンションの場合、段差の解消にはスロープの設置が一般的です。ただし、場合によっては床の嵩上げで対応することもあります。床の嵩上げをすると、天井との距離が近くなる側面もあります。
住宅の段差を解消すれば安全性が増すため、バリアフリーリフォームでの段差解消は有効な方法です。
手すりの設置


マンションで実施可能なバリアフリーリフォームに、手すりの設置があります。手すりは、立ち上がる際や階段の昇降時の補助で使われ、転倒や転落の防止に欠かせません。
手すりは、トイレや浴室などに設置するのが賢明です。トイレの場合は立ち座りのサポートになり、可能な限り両側への設置をおすすめします。浴室は、壁や入口付近に設置すると濡れた床で滑るのを防げます。
リフォームの際には、手すりの設置でトイレや浴室などが狭くなりすぎないよう、設置場所や設置箇所の工夫が必要です。実際に、便座や浴室に座り、必要な箇所や場所を確認のうえ、リフォームを実施しましょう。
引き戸へ交換


引き戸への交換も、マンションのバリアフリーリフォームで実施可能です。引き戸にすると、軽い力で開閉ができ、車いすでも移動しやすくなります。加えて、換気する際に風が強い日でも引き戸ならドアが閉まる心配がなく安全です。
ただし、引き戸の幅が狭いと車いすで通りづらい側面があるため、将来を見据えて可能な限り幅を広くすることをおすすめします。国土交通省によると、具体的には引き戸の幅は900 mm以上が理想です。
車いすのJIS規格は幅が700 mmとされており、引き戸幅が900 mm以上あれば余裕があります。
間取りの変更


間取りの変更も、マンションで実施可能なバリアフリーリフォームの1つです。住宅の間取り変更をすれば、室内の移動を最小限に抑えられます。
年齢を重ねると視力や筋力が衰えて移動が難しくなるため、生活動線を検討し住宅内で移動距離を短くするのが賢明です。たとえば、寝室の近くにトイレを設置したり、水回りをまとめるなど工夫しましょう。
大きく間取りを変更するといった大規模なリフォームを実施する場合には、スケルトンリフォームが一般的です。住宅で移動が少ない間取りにすると、自力でも安心で安全な生活がしやすくなる利点があります。
ユニットバスへの交換


ユニットバスへの交換も、マンションのバリアフリーリフォームで実施可能です。ユニットバスへ交換すると、出入り口の段差を解消できます。また、浴室が低いタイプを選べば、浴室への出入りがしやすくなるのです。
特殊なユニットバスとして、浴室と洗い場の間にベンチが設置されているものもあります。身体の状態にあわせて、自力で安全に入浴できるユニットバスへ交換するのが賢明です。
ユニットバスへの交換は、安全面に考慮して滑りづらい素材にも考慮しましょう。加えて、引き戸や折れ戸など入口ドアのタイプにこだわることも欠かせません。
洗面台の交換


マンションで実施可能なバリアフリーリフォームには、洗面台の交換もあります。洗面台を交換すると、車いすでも使用できるようになるのです。バリアフリー用の洗面台として、次のようなものがあります。
- 水栓を軽い力で操作できる洗面台
- 足元が広く空いた洗面台
- 低めの洗面台
- 鏡が下向きに傾斜された洗面台
もちろん、車いすを使用していなくても使いやすいようにデザインが工夫されています。そのため、将来を見据えて早めに洗面台を交換しても、生活するうえでストレスを抱えづらくおすすめです。
マンションのバリアフリーリフォーム事例
マンションのバリアリフォーム事例を確認すると、自宅に取り入れたいリフォーム内容のイメージが付きやすくなります。そこで、ここからはマンションのバリアフリーリフォーム事例を、2つ紹介します。
事例1






個性的な空間を意識しつつ、バリアフリーリフォームを実施した事例です。
打ちっぱなし風の壁と同系色のグレーの床材を選びました。モノトーンで落ち着いた雰囲気に仕上げながらもリビングの一部に青の壁面を使うことで、個性を出しています。
リビングに続く寝室は、段差を無くして引き戸へ変更しバリアフリーに仕上げました。寝室とリビングの動線が良く、移動も快適です。
事例2






スケルトンリフォームでバリアフリーにした事例です。浴室を移動させて水回りを集めました。また、キッチンを前に出して回遊動線を確保できたことから、生活や家事の動線が良くなり効率良く動けます。
リビングのコーナーに設置した畳スペースは高さのない琉球畳を選び、安全性を意識しました。また、以前生じていたトイレの段差も解消し、バリアフリーの住宅を実現しています。
マンションのバリアフリーリフォームで費用を抑える方法
マンションでバリアフリーリフォームを実施するなら、可能な限り費用を抑えたいと感じる方もいるでしょう。そこで、ここからはマンションのバリアフリーリフォームで費用を抑える方法を、2つ紹介します。
補助金を活用する
マンションのバリアフリーリフォームで費用を抑えるには、補助金の活用がおすすめです。利用可能な補助金は、次のとおりです。
- 子育てグリーン住宅支援事業
- 介護保険による住宅改修
- 自治体が実施するバリアフリーリフォームの補助金
子育てグリーン住宅支援事業では、バリアフリーリフォームのみの実施では補助を受けられません。同時に、断熱リフォームやエコ住宅設備の設置などを行う必要があります。
また、介護保険による住宅改修では、ケアマネージャーとの相談が必須です。ケアマネージャー同席のもと、実施するバリアリフォームの内容を業者と決めます。
自治体が実施するバリアフリーリフォームでは、条件や申請方法などは各自治体により異なります。各公式サイトに実施の有無や利用条件などの記載があるため、確認しましょう。
減税制度を利用する
減税制度を利用することも、マンションのバリアフリーリフォームで費用を抑える方法の1つです。マンションのバリアフリーリフォームは、次のような減税制度を利用できます。
減税制度 | 控除額 |
---|---|
所得税 | 最大60万円 |
固定資産税 | リフォームの翌年は前年の1/3に減税 |
住宅ローン減税では所得税から控除をしきれない場合に、住民税からの控除もできます。
マンションのバリアフリーリフォーム実施者の体験談
ここでは、マンションのバリアフリーリフォーム実施者の体験談の紹介します。実施者のなかには、次のように感じた方もいます。
マンションリフォームで、水まわりの段差解消したい方が多いけど、配管の問題でなかなかできないことがつらい、、、
引用:X
古いマンションだから段差は多くて、バリアフリーなにそれ?だけど、おとーちゃんのために廊下とトイレとお風呂に手すり、湯船を低く床を滑りにくくリフォームしてある。今、私にすごく役に立ってる。やってて良かった。介護保険使えたしね。
引用:X
家は玄関からリビングまでフローリングで殆どバリアフリーだったし、今の所は賃貸マンションなのでリフォームとかは全くしていない。玄関の所やお風呂や洗面所は段差があったので、三角の段差を解消するものを置いたり、必要な所にポールを立てまくれば、夫は歩行器や車いすである程度自立できていた。
引用:X
マンションでは配管勾配の確保ができず、水回りの段差を解消できなくて悩む方もいます。天井が高ければ床の嵩上げができるものの、一般的な天井高であれば難しい場合もあるのです。
一方で、手すりやスロープの設置で自力での生活が可能になった方もいます。バリアフリーリフォームにより生活がしやすくなれば、介護の必要がなくなることもあります。
マンションのバリアフリーリフォームを実施する際の注意点
マンションのバリアフリーリフォームを実施する場合には、室内を使いやすくして近隣住民とトラブルを生じないよう配慮する必要があります。ここからは、マンションのバリアフリーリフォームを実施する際の注意点を、5つ紹介します。
リフォーム不可な場所もある
マンションのバリアフリーリフォームでは、リフォーム不可な場所もあります。構造上や外観を保つ目的で、マンションの共用部はリフォームできません。
マンションでは、廊下や階段、ベランダなどは共用部であることが一般的です。共用部は住民や構造上の安全性を確保する場所であり、避難通路にもなります。
個人の判断で共用部のリフォームを行うと、建物の構造に影響し避難通路を塞ぐ可能性もあり安全性を確保できなくなるのです。マンションには共用部と専有部があり、リフォーム可能な場所が限られることを覚えておきましょう。
生活動線を考える
生活動線を考えることも、マンションのバリアフリーリフォームを実施する際の注意点の1つです。手すりの設置や段差の解消だけでなく、可能な限り移動を最小限にできる間取りにすると、自力での生活がしやすくなります。
もし、寝室の近くにリビングやトイレを配置できれば、介助不要で生活ができる可能性があるのです。とくに、トイレは1日に何回も利用するため、寝室と近くすることをおすすめします。
日々の生活を振り返り、生活が快適になる動線を考えましょう。もし、間取り変更でリフォームを伴う場合には業者との相談が欠かせません。
身の回りのことをしやすい環境を整える
マンションのバリアフリーリフォームでは、身の回りのことをしやすい環境を整えることも重要です。手すりを至るところに設置すると、邪魔に感じることがあります。
きっと将来必要だろうと考えてさまざまなところに手すりを設置すれば、空間が狭くなり動きづらくなるのです。加えて、移動をイメージしながら手すりを設置しないと、高さがあわないこともあります。
また、視力が衰えれば、足もとを照らす照明も必要です。手すりの設置や段差の解消のみならず、身体状況を考慮して生活を補助することが大切になります。
管理規約を確認する
マンションのバリアフリーリフォームでは、管理規約を確認することも大切です。管理規約を守らなければ、トラブルを生じる可能性があります。
マンションは集合住宅であり、快適な住環境の維持や建物の適切な管理にはルールが必要です。だからこそ、マンションには管理規約があります。
管理規約に違反すると是正勧告や損害賠償請求、さらには強制退去などの措置が取られる可能性があります。バリアフリーリフォームの実施でトラブルを生じないよう、事前に管理規約を確認するのが賢明です。
近隣住民にリフォームを周知する
マンションのバリアフリーリフォームでは、近隣住民にリフォームを周知することも重要です。近隣住民にリフォームを周知しなければ、住民が不信感や不満を抱きやすくなります。
バリアフリーリフォームでは、騒音や振動を伴ううえに、業者の出入りが頻繁に起こります。マンションは共同で生活する場であるからこそ、近隣住民に配慮して住民同士の衝突を回避するのが賢明です。
バリアフリーリフォームをきっかけに、マンションで生活がしづらくならないように配慮しましょう。
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マンションのバリアフリーリフォームなら、リノベーションハイムにご相談ください。
リノベーションハイムなら、マンションのバリアリフォーム実績が豊富にあります。段差の解消や手すりの設置などでお困りの方や不安なことがある場合には、お気楽にお問い合わせください。
お客様の要望を聞き、現地調査を実施したうえで適切なバリアフリーリフォームのプランをご提案します。また、施工後のアフターサポートも充実しています。万が一、不具合や問題が生じた際には保証内で迅速な対応が可能であり、安心安全です。
まとめ
本記事では、マンションのバリアフリーリフォームを実施すべき箇所や費用を紹介しました。結論、マンションもバリアフリーリフォームが可能です。
ただし、マンションの場合は構造上や管理規約による制約があり、希望するバリアフリーリフォームが必ずできるわけではありません。
手すりの設置や段差の解消でお困りのことがありましたら、リノベーションハイムにお問い合わせください。これまでの経験と知見により、お客様が快適に暮らせるバリアフリーリフォームプランのご提案をいたします。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。