
断熱材がない家ってなんで暑いの?
住まいに効果的な暑さ対策って何かある?
家に断熱材が充填されておらず、夏が近づくにつれて暑いと感じる方もいるでしょう。
とくに、築年数の古い家は床下に断熱材を充填せず、通気性を重視する設計が一般的です。そのため、古い家に断熱材が充填されていないことは珍しくありません。
断熱材のない家は暑いだけでなく、健康被害の懸念や建物への影響もあります。安心で安全な生活を送るには対策が重要です。
そこで本記事では、断熱材がない家でできる暑さ対策を紹介します。あわせて、断熱材がない家が暑い理由や実際の事例、注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
- 断熱材がない家が暑いのは外気の影響を直接受けるため
- 断熱材とは、熱の移動を遮断して室温を一定に保つための材料のこと
- 断熱材がない家には光熱費が上がったり、熱中症のリスクが高まる危険性がある
- 断熱材がない家は断熱リフォームで断熱材を充填することが賢明
※なお、本記事では国土交通省の「令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」や環境省の「子育てグリーン住宅支援事業」、消防庁の情報を参考に記事を制作しています。


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断熱材がない家は暑い?
結論、断熱材がない家は暑いです。なぜなら、断熱材がないと外気の影響を直接受けるからです。そのため、夏は暑く、冬になると寒くなります。
断熱材には、外気の熱を室内に伝えづらくして、室温を一定にする役割があります。床や天井、壁といった外気の影響を受けやすい場所に断熱材を充填させると効果的です。
断熱材がない家で快適な生活をするには、対策をしなければなりません。より確実に暑さを解消するには、断熱材について知ることから始めましょう。
そもそも断熱材とは
断熱材とは、熱の移動を遮断し、室温を一定に保つための材料のことです。一般的に、断熱材の種類は、次の3種類に分けられます。
断熱材の原料による分類 | 断熱材の種類 | 特徴 |
---|---|---|
鉱物系 | グラスウール、ロックウールなど | 耐火性や防虫性に優れる |
石油系 | ポリスチレンフォーム、ウレタンフォームなど | 比較的安価、防水性に優れる |
自然系 | セルロースファイバー、ウールなど | 防火性、調湿性に優れる |
断熱材の種類により特徴が異なるため、施工場所や耐久性に加えて費用面を考慮して選ぶのが賢明です。断熱材について知ったうえで断熱材がない家が暑い理由を、次の見出しでより詳しく解説していきます。
断熱材がない家が暑い理由
断熱材がない家が暑いのは、外気からの熱を妨げるものがなく、室内へ入り込むからです。
外気からの熱は、主に屋根や窓から入り込みます。夏の日差しは強く、温められた屋根が室内側に熱を放出することで次第に家が暑くなるのです。
また、窓ガラスは熱を吸収しやすく伝えやすい物質であり、窓からも外気の熱が入り込みます。家に窓が多く、面積が大きいほど外気の影響を受けやすいのです。
たとえ、エアコンを効かせても次々と外気から熱が伝わるため、断熱材がない家では暑く感じます。
築年数が古い家は要注意
築年数の古い家は、断熱材の無充填か劣化の恐れがあるため要注意です。
断熱材が家に充填され始めたのは1980年代であり、断熱材の耐用年数は30年とも言われています。そのため、築30年以上の家では断熱機能が低下している恐れがあるのです。
十分な断熱性能がなければ外気の影響を受けやすく、家が暑くなります。
築30年以上の築年数が古い家では、断熱材が充填されていたとしても性能が劣っていることも少なくありません。したがって、期待する断熱効果を得られない可能性があるのです。
断熱材がない家の3つのリスク
断熱材がない家は暑いのみならず思わぬ危険が潜んでおり、知らなければのちに悔やむことになりかねません。そこで、ここからは断熱材がない家のリスクを、3つにまとめて紹介します。
光熱費が高くなる
光熱費が高くなることは、断熱材がない家のリスクの1つです。断熱材がない家では、外気の熱が室内に入り込むため、冷房を1日中運転させても快適な室温になりづらいです。
冷房だけでは暑さに耐えられず扇風機と併用すると、より電気代がかかります。また、冬も夏と同様で外気からの冷気が室内へ入り込み、暖房を使わなければ寒いです。
つまり、冷暖房を使う季節は光熱費が高い傾向にあります。断熱材がない家では、ほぼ年中光熱費が高いことは避けられないでしょう。
熱中症のリスクが上がる
熱中症のリスクが上がることも、断熱材がない家のリスクの1つです。断熱材がない家は、冷房をつけても思うように部屋が冷えません。
室内熱中症は室温28度以上で湿度70%以上の条件が揃うと起こりやすくなります。消防庁のデータによると、熱中症の4割以上が室内で起きています。


とくに、高齢者や小さな子どもは体温調整がうまくできず、室内熱中症になると危険なため注意が必要です。断熱材がない家では、冷房を運転させても快適な室温になりづらいことから、健康面で気を付ける必要があります。
結露やカビによる家の劣化につながる
断熱材がないと、結露やカビによる家の劣化につながります。なぜなら、断熱材がない家は室内を暖房で温めると、外気との温度差で壁や窓に結露が生じやすくなるのです。
結露をそのままにしておくと、カビの原因になります。もし、カビが柱や梁といった構造部まで広がれば、耐震性の低下が避けられません。
大きな地震の際に破損や倒壊する可能性があり危険です。断熱材がない家では結露やカビによる家の劣化を起こさないように、換気が欠かせません。
断熱材がない家でできる暑さ対策5選
ここからは、断熱材がない家でできる暑さ対策を、5つにまとめて紹介します。
窓の断熱リフォームを行う


窓の断熱リフォームを行うことは、断熱材がない家でできる暑さ対策の1つです。窓の断熱リフォームを行うと、窓から入り込む日光によるの熱を防げます。窓の断熱リフォームには、次のような方法があります。
窓の断熱リフォーム | 費用 |
---|---|
内窓の設置 | 約10万円/枚 |
ペアガラスへの交換 | 約8万円/枚 |
樹脂サッシへの交換 | ・カバー工法:約6万円/枚 ・窓ごと交換:約30~50万円/枚 |
内窓は既存窓の室内側に設置して、空気層を作り室内へ熱を伝えづらくします。ペアガラスでは既存のガラスを2枚重ねのガラスにします。2重のガラス間に空気層を作り、空気の熱を伝えづらい性質を利用して断熱するのです。
樹脂サッシは、既存サッシの上に被せるカバー工法と、窓枠ごと交換する方法があります。カバー工法の方が手軽にできるリフォームであるものの、樹脂サッシの下で結露が生じる懸念があるので注意が必要です。
断熱材を充填する


断熱材を充填すれば、暑さ対策ができます。天井・床・壁などに断熱材を充填すると、室内外に熱が伝わりづらくなり、暑さが和らぐのです。断熱材の充填には、次の2つの方法があります。
断熱材の充填方法 | 費用 |
---|---|
内装材をはがして断熱材を充填する | 約2万円/㎡ |
点検口や床下収納からもぐり断熱材を充填する | 約1万円/㎡ |
天井や床下にもぐれるかつ、作業スペースが確保できれば、内装材をはがして断熱材を充填する必要はありません。内装材をはがすと、断熱材の充填後にあたらしい内装材を張り替えるため、費用がかさみます。
また、断熱材の種類や施工する厚さにより、費用が異なります。断熱効果を十分得るためにも、断熱材選びは業者と相談して決めるのが賢明です。
換気を行う


暑さ対策には、換気の実施も効果的です。換気を行うと、室内の熱を外へ逃がしやすくなります。
効率良く換気を行うためにも、窓を2か所以上開けるのが賢明です。戸建てであれば、全方向に窓が設置されていることが多いため、全窓を開けて換気を行うことをおすすめします。
また、窓が少ない場合にはサーキュレーターを使い、窓の外へ熱を逃がすように換気するのがベストです。サーキュレーターはホームセンターなどで購入でき、左右の首振りのみならず360度送風できるタイプもあります。
住宅に合わせて適したサーキュレーターを購入しましょう。
断熱カーテンを取り付ける


断熱カーテンを取り付けることも、おすすめな暑さ対策です。断熱カーテンを取り付けて日中に閉めておくと窓から入る熱を反射させるため、室温が上がりづらくなります。
ただし、断熱カーテンは日中にカーテンを閉めなければ効果がありません。日中にカーテンを閉めると室内が暗くなりがちです。そのため、自分好みの断熱カーテンを購入し心地よい空間で気分が上がりやすくすることをおすすめします。
断熱カーテンは、ホームセンターなどで1万円程度で購入が可能です。断熱カーテンは生地が厚くて密度も高いため、重さがあります。カーテンレールに取り付け可能なのかを確認してから購入しましょう。
最新の冷暖房器具を使う
断熱材がない家の暑さ対策には、最新の冷暖房器具を使うことも有効です。最新の冷暖房器具にはAIや高性能なセンサーが搭載されており、部屋の状況を即座に把握して最適な運転を行います。
AIがエアコンの使用状況を学習し、自動で快適な温度と湿度の空間を作り出すのです。加えて、最新エアコンの温湿度センサーにより、室温と湿度を同時に下げられます。
実のところ、室温を下げても湿度が高い状態だと快適に過ごしづらいのです。温度と湿度の組み合わせにより不快指数があり、70〜75に収まるのがベストでしょう。


不快指数を参考に、最新の冷暖房器具で快適な室内を整えるのが賢明です。
実際の断熱リフォーム事例
ここからは、実際のリフォーム事例を見てみましょう。
【築42年・戸建て】






断熱材の充填と窓を樹脂サッシにして断熱等級5相当を実現した事例です。空き家になった実家を子どもの住まいにリノベーションしました。築42年であるため、断熱リフォームと共に耐震性も強化しています。
窓を樹脂サッシにして、断熱性のみならず気密性や遮熱性も高めました。窓から入り込む熱が室内へ伝わりにくくなり、夏でも外気の影響を受けづらくなるのです。
【築36年・戸建て】






窓の数や面積を減らしつつ、各所に断熱材を充填し断熱等級5相当を実現した事例です。完全分離型の二世帯住宅にリフォームしつつ、耐震性と断熱性を高めました。
以前は、床下と壁に断熱材が充填されておらず、暑さと寒さが厳しい住宅でした。リフォーム後は、エアコン1台でも十分温かく、2階は真冬でも天気が良ければ日中の暖房は不要なほど高断熱です。
断熱リフォームを行う際の注意点
断熱リフォームをただ単に実施するのみでは十分な効果が出ないうえに、建物の劣化を招くことになります。そこで、ここからは断熱リフォームを行う際の注意点を、3つにまとめて紹介します。
適切な厚さの断熱材を選ぶ
適切な厚さの断熱材を選ぶことは、断熱リフォームを行う際の注意点の1つです。適切な厚さの断熱材を選ばなければ、十分な断熱効果は得られません。
実のところ、断熱材の種類により熱の伝わりやすさは異なります。たとえば、ガラスウールでは、壁や床は10㎝で屋根や天井は20㎝が目安です。
屋根や天井は夏の強い日差しからの熱が室内へ伝わりやすい場所であり、断熱材を厚くしないと十分な効果が得られないのです。単に、断熱材を充填するのではなく、種類や場所により適切な厚さを選ぶことをおすすめします。
すき間なく断熱材を充填する
すき間なく断熱材を充填することも、重要です。すき間なく断熱材を充填すると、断熱効果を最大限発揮できます。
断熱材にすき間が生じると熱が逃げやすくなり、断熱性が低下します。また、断熱材間で温度差がうまれて結露が生じ、断熱材の劣化を早めるのです。
断熱材が劣化すれば期待する断熱効果を得られず、夏は暑くて冬は寒く快適な生活ができません。そのため、経験豊富なリフォーム業者に依頼し、すき間なく断熱材を充填するのが賢明です。
結露対策を行う
断熱リフォームでは、結露対策を行うことも効果的です。断熱材や構造部に結露が生じると、建物の劣化を早めます。
断熱材をすき間なく充填したうえで、万が一に備えて断熱材の室内側に防湿シートを入れたり、通気口を設けるのが賢明です。通気口を設けると壁内や屋根裏、床下の湿気を外へ逃がせるため、結露を生じづらくなります。
各場所への断熱材の充填と同時に、結露対策で通気口の設置や防湿シートを行うのが賢明です。
お得に断熱リフォームを行うコツ
断熱リフォームの実施を決めたら、可能な限り費用を抑えて行いたいと感じる方が多いでしょう。そこで、ここからはお得に断熱リフォームを行うコツを、2つ紹介します。
補助金を利用する
補助金を利用することは、お得に断熱リフォームを行うコツの1つです。窓や各場所への断熱材の充填で、次のような補助金が利用できます。
- 先進的窓リノベ2025事業
- 既存住宅の断熱リフォーム支援事業
- 子育てグリーン支援事業
- 長期優良化住宅リフォーム推進事業
- 自治体が実施する補助金
自治体が実施する補助金以外は、国が行う補助金です。国の補助金同士は併用できないものの、国と自治体の補助金は併用ができる可能性があります。
補助金を最大限に活用するためにも、可能な限り併用するのが賢明です。自治体が実施する補助金は各公式サイトで詳細の確認ができます。お住まいの自治体で補助金の有無や利用条件を事前に確認しましょう。
減税制度を活用する
減税制度を活用することも、お得に断熱リフォームを行うコツの1つです。断熱リフォームの実施で住宅ローンを組めば、住宅ローン減税が受けられる可能性があります。断熱リフォーム後の住宅性能により、借入限度額は異なります。
リフォーム後の環境性能 | 借入限度額 |
---|---|
長期優良住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅、低炭素住宅 | 3,000万円 |
上記以外 | 2,000万円 |
既存住宅の断熱リフォームで住宅ローン減税を利用すると、10年間住宅ローン残高の0.7%を所得税から控除されます。また、断熱リフォームにより省エネ性が向上すると、次のような税金の控除が受けられるのです。
断熱リフォームにより所得税と固定資産税が減税されると、納税額が減るため負担が少なくなります。
断熱リフォームならリノベーションハイムにご相談ください!


断熱リフォームを検討中なら、リノベーションハイムにご相談ください。リノベーションハイムではお客様の要望を聞いたうえで、現地調査を行い断熱性を高める方法のご提案が可能です。
現地調査では周辺の建物の高さや日当たりを確認し、適切な断熱材の種類や厚さを検討します。また、工事のスケジュールやリフォーム時期についても相談可能なため、ぜひお問い合わせください。
まとめ
本記事では断熱材がない家の暑さ対策を紹介しました。
断熱材がない家は暑いだけでなく、光熱費が高額になりやすいうえに家の劣化につながるリスクもあります。そのため、暑さ対策のみならず生活費や家の安全性を確保するためにも、断熱リフォームを検討するのが賢明です。
断熱リフォームをするなら、リノベーションハイムにお問い合わせください。要望や予算にあう断熱リフォームプランをご提案します。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。