家の2階が暑い原因と対策は?実施すべき5つの方法とコツを紹介

主婦Aさん

2階が暑いのはなぜ?
2階の暑さ対策って何かがあるの?

気温が上がる度に、2階の暑さを実感する方は多いでしょう。戸建ての1階から2階へ行く途中で「ここから暑い!」と線引きができるほど、2階の空気感の違いに戸惑うこともあるはずです。

実のところ、戸建ての2階が暑いのには理由があります。2階にリビングや寝室がある家は暑さを解消しないと、快適な空間で生活できません。やみくもに対策をすると、出費がかさむだけで後悔する可能性があります。

そこで、本記事では2階の暑さ対策を、実施者の口コミを交えて紹介します。あわせて、2階が暑い理由やより暑さを解消するコツも解説するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • 2階が暑いのは断熱性が低いことや換気が不十分であることが原因
  • 2階の暑さには断熱リフォームが効果的
  • 2階の暑さをより解消させるにはサーキュレーターや遮光カーテンも効果的

※なお、本記事では国土交通省の「令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」や環境省の「子育てグリーン住宅支援事業」の情報を参考に記事を制作しています。

井東祥郎 監修者

一級建築士 / 一級建築施工管理技士

井東祥郎

東京セキスイファミエス技術責任者
セキスイハイムの新築設計担当として27年間従事。現在は技術責任者として、お客様のリフォームの設計・施工に貢献している。

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目次

2階の暑さに効果的な対策5選

さっそく、2階の暑さに効果的な対策を5つ紹介します。

窓を断熱リフォームする

窓を断熱リフォームすることは、2階の暑さ対策の1つです。窓の断熱リフォームを実施すると、窓から入り込む熱を防げて、2階の暑さが解消しやすくなります。

実際に、窓の断熱リフォーム実施者のなかには、2階の暑さが和らいだと感じた方もいます。

2階南向きの子供部屋の掃き出しの内窓比較。

内窓なし部屋 28度 暑い

内窓付き部屋 26度 快適

残り2部屋付けちゃおうかな。やっぱり効果絶大だわ。

部屋に入った瞬間の体感がまず違って、内窓がないと、外の温度がじんわりくる。内窓付きだとシャットアウトしている感じ。

引用:X

窓の断熱リフォームには2つの方法があり、次のような費用がかかります。

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窓の断熱リフォーム方法詳細費用
内窓を設置する既存窓の室内側に窓を設けて、二重窓にする約10万円/枚
ペアガラスへ取り換える既存窓のガラスを二重ガラスと交換する約8万円/枚

窓やガラスを二重にすると間に空気層ができます。空気層は熱を伝えづらいため、外気の熱が室内へ入り込みにくくなるのです。

天井裏に断熱材を充填する

天井裏に断熱材を充填することも、2階の暑さ対策の1つです。天井裏に断熱材を充填すれば、屋根からの熱を室内へ伝えづらくなります。事実、天井の断熱材がしっかり充填されている家では2階の室温がそれほど高くなりません。

そして、2階です。

2階はしっかり暑いです!

ただ、外気がどんなに高くても31℃くらいまでしか上がりません。

エアコンの効きも良いのですぐに室温が下がります。天井の断熱がしっかりされているんだなと実感しています。

引用:X

天井裏に断熱材を充填するには、次のような方法があります。

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天井裏に断熱材を充填する方法費用
点検口から天井裏に入り、断熱材を充填する約1万円/㎡
(6畳で10~12万円程度)
天井を剥がして断熱材を充填する約2万円/㎡

2階の廊下などに点検口があれば天井裏へもぐれるものの、作業スペースが確保できなけば天井を解体しなければなりません。

そもそも、2階は屋根に近いことが多く、太陽光で温められた屋根からの熱が天井を通じて室内へ入り込みやすい環境です。天井裏に断熱材がなければ、屋根からの熱を直接受けて、2階が暑くなる傾向があります。

屋根を断熱リフォームする

屋根を断熱リフォームすることも、2階の暑さ対策の1つです。屋根を断熱リフォームすれば、太陽光で温められた屋根からの熱が室内へ伝わりづらくなります。

家の中で日当たりが最も良いのは屋根です。夏は太陽の高度が高く、強烈な日差しが屋根に当たるため、屋根材に熱がこもります。

屋根材の熱は屋根裏や天井を通じて2階へ伝わるものの、屋根の断熱リフォームをすれば暑さを防ぐことが可能です。

体感暑さ

外>1階>2階

1階が暑いのは玄関ドア取り付け前で空気の出入りがあるから

2階は1階に比べると明らかにカラッとしていた

屋根断熱はもう1層入るからここからさらに快適に?

引用:X

屋根の断熱リフォームには主に2つの方法があり、費用は次のとおりです。

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屋根の断熱リフォームの方法費用
既存屋根の上から断熱性の高い屋根材を被せる約150万円
既存屋根を撤去し、断熱性の高い屋根材へ取り換える約200万円

既存屋根が瓦のように重い場合には、屋根材を二重に被せることをおすすめしません。耐震性が低下すると共に、地震の際に家が破損や倒壊しやすくなるため注意が必要です。

換気排熱ファンを設置する

換気排熱ファン
出典:三菱電気

換気排熱ファンを設置することも、2階の暑さ対策の1つです。換気排熱ファンを使用することで、天井や屋根裏に溜まる熱気を効率良く外へ排出ができ、2階の温度上昇を抑えられます。

そもそも、換気排熱ファンとは戸建ての天井付近に留まる熱気を排出する換気扇の一種です。換気排熱ファンを回している家では、暑さが和らいだと感じる方もいます。

今回の築41年木造自宅は使った事ない設備を入れてみているのでレポート。

・三菱換気排熱ファン

室内空気を吸い上げて屋根裏の全方位に排気、空気断熱層を作る。屋根裏に断熱材はないけど、少し前の灼熱の日でもエアコン26〜27度設定でいけた。真夏日はこいつだけ稼働してても暑いが朝晩は割と快適。

引用:X

換気排熱ファンの取り付け工事には、約15万円程度かかります。本体価格が3〜5万円程度であり、天井の開口や専用スイッチの設置を行う工事が必要です。

シーリングファンを取り付ける

シーリングファン

シーリングファンを取り付けることも、2階の暑さ対策の1つです。シーリングファンには空気を循環させる効果があり、天井付近に温かい空気が溜まるのを防げます。

シーリングファンとは、天井に取り付けられる扇風機の一種です。実際に、シーリングファンを回す家では、2階でも涼しさを感じる方もいます。

我が家2階リビングで熱がこもるの

エアコンはまだだけどシーリングファンは回ってるよ

涼しい

引用:X

シーリングファンの取り付け工事には、20万円程度かかることがあります。本体価格は約5万円であるものの、天井の補強工事が必要な場合もあるからです。

シーリングファンは大きくて重さもあるため、天井の強度が不足する場合には天井を補強しなければなりません。予想よりも費用がかさむこともあることから、事前に業者と相談するのが賢明です。

2階が暑い3つの原因

2階の暑さ対策に合わせて暑さの原因がわかれば、効果的な解決策を導けます。そこで、ここからは2階が暑い原因を、3つ紹介します。

断熱性が低いから

断熱性が低いことは、2階が暑い原因の1つです。断熱性が低い家で2階が暑いのは、外気の熱が室内に入り込みやすいうえに、温かい空気は上昇する性質があるからです。

そのため、天井や壁、床下など熱が入り込みやすい場所にすき間なく断熱材を充填すると厚さが和らぎます。かつ、断熱材の状態を把握することも必要です。

断熱材の耐用年数は、30年と言われています。十分量の断熱材が必要箇所に充填されていても、劣化があれば効果は低いです。断熱材の状況や充填具合を気にしつつ、家の断熱性能を高めると2階の暑さを解消しやすくなります。

温かい空気は上に溜まりやすいから

温かい空気が上に溜まりやすいことも、2階が暑い原因の1つです。温かい空気は密度が低いため浮力で上昇しやすく、2階に暑さがこもりやすくなります。

そのため、何も対策しなければ2階は暑くて、1階は比較的過ごしやすい室温になりがちです。2階の暑さ対策には、換気排熱ファンを設置したり、シーリングファンで空気を循環させることが欠かせません。

物理的な性質により2階が暑いことは避けられず、対策をしなければ温かい空気が留まり続けることになるのです。

換気が不十分だから

換気が不十分であることも、2階が暑い原因の1つです。換気が不十分だと熱が外へ逃げづらく、次第に2階が暑くなります。熱の逃げ場がなければ、だんだんと室温は上昇し2階が暑くなることは避けられません。

効率良く換気するには、窓を2か所以上開けて空気の流れを作ります。もし、外出時間が長く窓を開けられない場合には換気扇やサーキュレーターを回すと効果的です。

空気を循環させると温度ムラも無くなり、2階の暑さが和らぎます。

より確実に2階の暑さを解消するなら断熱リフォーム

断熱リフォーム

より確実に2階の暑さを解消するなら、断熱リフォームをおすすめします。

窓の断熱性を高めたり床や天井などに断熱材を充填させると、外気から室内へ熱が入り込みづらくなります。とくに夏は太陽の高度が高いうえに日差しが強く、屋根に熱が溜まりがちです。屋根からの熱が室内へ伝わらないよう天井に断熱材を充填すると効果があります。

また、窓から入り込む熱も無視できません。窓の断熱性を高めるために内窓を設置したり、ペアガラスへ交換することも検討しましょう。

温かい空気は上へ上昇する性質があることから、2階が暑いと感じるのは不思議なことではありません。とはいえ、対策をすれば解消しやすくなるため、確実に2階の暑さを解消するなら断熱リフォームを実施するのが賢明です。

断熱リフォームならリノベーションハイムにご相談ください!

2階の暑さ対策でリフォームするなら、リノベーションハイムにご相談ください。

まずは、お客様の要望を詳細に聞き取り、困りごとや問題点を把握します。その後、現地調査を行い、日当たりや断熱材の劣化状況などを把握したのちに、より効果的なリフォーム内容をご提案いたします。

断熱リフォームには国の補助金があり、上手く活用することで理想的なリフォームを行いながらも手の届きやすい費用で工事が可能です。

もちろん、予算内で実施可能なリフォームプランもご提案いたします。リフォームに関する不安や心配事など、いつでもリノベーションハイムにご相談ください。

実際の断熱リフォーム事例

ここからは、実際の断熱リフォーム事例を、2つ紹介します。

実際の断熱リフォーム事例

【築42年・戸建て】

断熱等級5相当の性能を実現した断熱のリフォーム事例です。全ての窓を断熱性能の高い樹脂サッシへ変更し、床・壁・天井には高性能の断熱材を充填しました。

2階の暑さ対策のみならず、冬の寒さ対策にも効果的です。断熱リフォームのおかげで遮音性も高まり、外の話し声や車の音などが聞こえず快適な暮らしができています。

【築36年・戸建て】

スケルトンリフォームにより断熱性と耐震性を向上させた事例です。床・壁・天井のすべてに高性能の断熱材を充填し、断熱等級5相当を実現しました。

リフォーム前は、床下と外壁に断熱材が充填されておらず、暑さに加えて寒さも厳しい住宅でした。窓は断熱性に配慮し、数を少なくしたり面積を小さくしています。

また、スケルトンリフォームにより構造部の耐震補強と気密断熱の工事も行い、安全と快適を備えた家を作り上げています。

断熱リフォームで利用できる補助金

2階の暑さ対策をするなら、可能な限り費用を抑えて実施したいと感じる方も多いはずです。そこで、断熱リフォームで利用できる補助金を紹介します。

先進的窓リノベ2025事業

出典:先進的窓リノベ2025事業

先進的窓リノベ2025事業は、窓や玄関といった開口部の断熱リフォームで利用できる補助金です。

利用する場合は、工事着工前までに事業者登録を受けた業者が補助金申請をする必要があります。そのため、先進的窓リノベ2025事業を活用してリフォームを行うなら、登録を受けたリフォーム業者に補助金の申請を依頼しましょう。

審査を通過し補助金を利用できれば、窓や玄関の断熱リフォームの実施で上限200万円の補助を受けられます。補助金には予算が設定されているため、リフォームを決めたら早めに申請するのが賢明です。

既存住宅の断熱リフォーム支援事業

出典:既存住宅の断熱リフォーム支援事業

既存住宅の断熱リフォーム支援事業は、窓や玄関といった開口部の断熱リフォームと断熱材の充填に利用できる補助金です。断熱リフォームと同時であれば、エアコンの交換や高効率給湯器の導入などにも使えます。

既存住宅の断熱リフォーム支援事業は戸建ての所有者が申請を行います。必要書類や申請方法を確認し、申請を行いましょう。申請後に審査が通ると、戸建てでは上限120万円まで補助を受けられます。

子育てグリーン支援事業

出典:子育てグリーン支援事業

子育てグリーン支援事業は、窓や玄関などの断熱リフォームや床や天井などへの断熱材の充填に利用できる補助金です。上記のリフォーム内容と同時であれば、エコキュートといった高効率給湯器の導入にも補助金が利用できます。

子育てグリーン支援事業は、事業登録を受けた業者が申請する必要があるため、リフォーム業者に申請依頼をしましょう。審査を通過すれば上限40万円の補助が受けられ、同時にエコキュートを設置すると補助額は上限60万円になります。

長期優良化住宅リフォーム推進事業

出典:長期優良化住宅リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、断熱材の充填や窓の断熱リフォーム、高効率給湯器への交換に加えて、屋根材の交換で利用できる補助金です。

事業者登録を受けた業者が申請し審査が通ると、長期優良住宅の認定を得られる基準の家であれば上限160万円の補助が受けられます。認定基準に満たない場合には上限80万円です。

ただし、いずれかが39歳以下の夫婦や18歳未満の子を有する世帯が断熱リフォームを実施すると、長期優良住宅で210万円、基準に満たない住宅で130万円の補助が受けられます。

2階の暑さをより解消させるコツ

リフォームによる2階の暑さ対策を実施しつつ、より高い効果を得るには自分で対応可能な対策を講じることが賢明です。そこで、次のような対策を講じると2階の暑さをより解消でき、快適な生活を送りやすくなります。

遮熱カーテンを設置する

遮熱カーテン

遮熱カーテンを設置することは、2階の暑さをより解消させるコツの1つです。遮熱カーテンを日中閉めておくと、外からの熱を室内へより伝えづらくなります。

遮熱カーテンとは、太陽光からの熱を反射させて、室内の温度上昇を抑えるカーテンのことです。窓の断熱リフォームを実施しても、外からの熱を完全に防ぐことはできません。

とくに2階は日差しが入りやすく、窓の断熱リフォームと合わせて断熱カーテンを引くと効果的です。遮熱カーテンはホームセンターなどで購入でき、色や柄を選べるため好みにあわせて購入しましょう。

サーキュレーターを使う

サーキュレーター

サーキュレーターを使うことも、2階の暑さをより解消させるコツの1つです。2階でサーキュレーターを使えば空気が循環され、温かい空気が2階に留まらなくなります。

温かい空気は上に留まりやすいといった特徴から、断熱リフォームのみでは2階の暑さを完全に解消するのは困難です。そのため、サーキュレーターで室内の空気を循環させて温度ムラを少なくすれば、2階の暑さを解消しやすくなります。

360度の自動首振り機能があるサーキュレーターなら、空気の循環を効率良く行うことができ、よりおすすめです。

窓の外にグリーンカーテン・すだれを設置する

グリーンカーテン

窓の外にグリーンカーテン・すだれを設置することも、2階の暑さをより解消させるコツの1つです。グリーンカーテンやすだれを設置すれば日差し除けと熱を吸収する作用により、2階の暑さをより解消できます。

グリーンカーテンには、ゴーヤやアサガオなどツル科の植物を使うのがおすすめです。植物は葉で水分を蒸発させる際に周りから熱を奪う蒸発作用があり、周辺の暑さが解消します。

また、すだれは日差しを遮りつつ風を通すため、室内に熱が伝わりづらくなるのです。グリーンカーテンとすだれはホームセンターでお手頃価格で購入ができ、費用をおさえる点でもおすすめします。

まとめ

本記事では、2階の暑さ対策に関して紹介しました。2階は屋根が近く日差しからの熱が蓄積されて室内へ伝わりやすい場所であるうえに、温かい空気は上に留まる傾向にあります。

サーキュレーターなどで空気を循環させることも2階の暑さ対策の1つです。ただし、換気や空気を流すだけでは根本的な解決は難しいでしょう。

だからこそ、天井裏や屋根、窓の断熱リフォームを検討するのが賢明です。断熱リフォームにより、外気の熱を室内へ伝えづらくすれば、2階の暑さは解消しやすくなります。

2階の暑さに悩んでいる方は一度、断熱リフォームを検討してみてください。本記事があなたのお役に立てることを願っております。

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事は、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で住まいのリフォームを行う「リノベーションハイム」を運営する東京セキスイファミエス株式会社が制作しています。

当メディア「リノベーションハイム」を運営する東京セキスイファミエス株式会社は「全国コンテスト」の受賞歴が多数あり「TVチャンピオン」などのメディアにも出演しています。

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