
マンションの防音リフォームにかかる費用はいくらなの?
マンションで騒音トラブルを起こしたくない…
生活音やペットの鳴き声、子供の足音がどのくらい外へ漏れているのか分からないからこそ起こる騒音トラブル。
下階や両隣に生活音が伝わる可能性は十分にあり、許容できる音の大きさは人それぞれです。大人なら生活音に配慮して生活できるものの、子どもやペットには難しいこともあるでしょう。
居住者のなかには我慢がかさみ、許容範囲を超えると騒音トラブルへと発展することもあります。だからこそ、マンションの防音リフォームを検討し、騒音トラブルを避けることが欠かせません。
そこで本記事では、マンションの防音リフォームにかかる費用を、騒音基準や音の種類を交えて紹介します。あわせて、防音リフォームの事例や実施する際の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。


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マンションで最も多いのは騒音トラブル
国土交通省の調査によると、マンションで起きるトラブルは、居住者間のマナーに関するものが最多です。


居住者間のマナーとは「生活音」「違法な駐車・駐輪」「ペットの飼育」などを指します。なかでも、近年では生活音に関するトラブルが最も多く、具体的に次のような例が挙げられます。
- 子供の足音がうるさい
- テレビの音が大きい
- ペットが夜中にも吠えている
- 窓の開閉音がうるさい
騒音トラブルは人により音の許容範囲が異なることや、下階と両隣に音が響いているという認識がないことで生じる場合が多いです。そのため、自分の知らないうちに近隣住民が次のような不快な思いをすることも珍しくありません。
夜は20時〜23時
TV音や人の声、机を引きずるような音やガンガンとした音で眠れず
朝は5〜7時
物を引きずるような音で起こされる
⇒6ヶ月我慢しました
前の騒音トラブルの合わせたら1年6ヶ月ですよ…自分のタイミングで起きたい
引用:X
今マンションノの騒音トラブルで困っています
上の階からドスドス走り回る音、高い所から飛び降りた衝撃音、高速足踏み等の音がする
ドスンという衝撃もあり心臓に悪い
21時以降も走り回る
管理会社に注意されたはずだが改善なし
もう耐えられない
引用:X
大きなトラブルへと発展しないよう防音対策するのが賢明です。
マンションの騒音基準値
環境省は、健康を維持するのに望ましい音の大きさを次のように公表しています。
- 昼間(6:00~22:00):55デシベル以下
- 夜間(22:00~6:00):45デシベル以下
デシベルとは、音の大きさを表す単位です。実際に日常生活での音は、東京都環境局が公表する音の大きさを目安にしましょう。
- エアコン:41~59デシベル
- 換気扇:42~58デシベル
- 洗濯機:41~59デシベル
- 掃除機:64~72デシベル
- 目覚まし時計:64~75デシベル
- ピアノ:80~90デシベル
- テレビ:57~72デシベル
- 犬の鳴き声:90~100デシベル
- 子どもの足音:50~66デシベル
- 車のアイドリング:63~75デシベル
- 人の話し声:50~61デシベル
生活音の目安を参考にすると、夜間はほとんどの音が騒音レベルに達しているとわかります。日中でも騒音レベルと判断される生活音が多く、注意が必要と再認識できるのです。
マンションの防音には音の種類も大切
生活音を小さくするように気を付けても、ほとんど防音対策になりません。なぜなら、生活音は空気を通じて伝わる音(空気伝播音)と固体が振動して届く音(固体伝播音)があるからです。
音の伝わり方 | 特徴 | 生活音の例 |
---|---|---|
空気伝播音 | 音の発生源から遠い場所ほど、小さな音になる | 人の話し声、犬の鳴き声、目覚まし時計など |
固体伝播音 | 音の発生源から遠くても、振動が伝わる状態であれば、音が届く | 洗濯機、掃除機、子どもの足音など |
つまり、マンションの防音対策では、どの生活音を断ちたいのかで対策が変わります。一般的に、空気伝播音を抑えるには遮音を、固体伝播音を防ぐには吸音が有効です。
音の種類 | 詳細 |
---|---|
遮音 | 空気の伝達による音漏れを断つ方法 |
吸音 | 音を吸収して音の反射を防ぐ方法 |
ピアノといった空気伝播音と固体伝播音が混ざりあう生活音を防ぐには、遮音と吸音の両方とも対策することをおすすめします。マンションの防音対策では気になる音の原因を検討し、適切な防音対策が不可欠です。
マンションの防音リフォーム方法と費用
ここからは、マンションの防音リフォーム方法と費用を、紹介します。
床
床を防音フローリングにする工法は2種類あり、実施すると固体伝播音を防げます。
工法 | 詳細 | 費用(6畳) |
---|---|---|
直張り工法 | 裏面に制振材を付けたフローリングに張り替える | 5~10万円程度 |
二重床工法 | 防振ゴムなどで床との間に空間を作り、そのうえに防音フローリングを張る | 10~20万円程度 |
また、既存の床に防音カーペットやマット敷く方法もあります。ただし、効果は防音フローリングへの張り替えよりも劣ることを念頭におきましょう。
騒音トラブルの多くは子供の足音が原因のため、子育て世帯は床の防音対策を念入りに行うことが重要です。
窓
窓では、次のような防音対策を行うと、空気伝播音を遮断できます。
窓の防音リフォーム | 費用 |
---|---|
内窓の設置 | 15万円程度/枚 |
防音ガラスへの交換 | 8万円程度/枚 |
内窓では、既存窓の室内側に新たに窓を設置します。二重窓になるため、音の伝達を防ぎやすくなるのです。
また、内窓を設置せずとも、既存窓のガラスを防音ガラスへ交換する方法もあります。ただし、マンションの場合は窓を共用部とする場合があるため、管理組合への確認が必要です。
壁
壁の防音リフォームには、次のような方法があります。
壁の防音リフォーム | 費用 | 防げる伝播音 |
---|---|---|
壁に吸音材を埋め込む | 35~50万円程度(6畳) | 固体伝播音 |
換気口に遮音材を入れる | 5万円程度/箇所 | 空気伝播音 |
壁の防音リフォームは、吸音材を埋め込む際にはそれなりの費用がかかります。どの部屋に吸音材を埋め込むかを業者と相談しましょう。
また、マンションでは、換気口から音が漏れることも少なくありません。換気口内へ遮音材を入れることで、音が外へ漏れ広がることを防ぐことができます。
換気口に遮音材を入れる作業は、換気口内の工事になるため見た目の変化はありません。
防音室の設置
防音室を設置することも、マンションの防音リフォームの1つです。たとえば、ピアノといった楽器演奏をするのに音漏れが気になる場合には、防音室を作ることもできます。6畳の防音室を作る費用は、200〜700万円程度です。
防音室を作れば、壁や天井、床に加えて窓といった部屋全体を防音仕様にできるため、安心して楽器の練習ができます。ただし、防音室は通常の部屋と比べて大幅に音漏れを軽減できるものの、完全ではないため夜間の利用は控えるのが賢明です。
マンションの防音リフォームは補助金を利用できることもある
マンションの防音リフォームで補助金を利用できる場合を、3つにまとめて紹介します。
空港の周辺
空港の周辺は、マンションの防音リフォームで補助金を利用できる可能性があります。空港の周辺は航空機の騒音が大きく、健康被害の防止や軽減の目的でリフォーム費用の補助を受けられるのです。
たとえば、成田空港の付近では第一種区域と第一種区域の外側にある隣接区域に分け、補助するリフォーム内容が異なります。
成田市では第一種区域に住宅があるなら、リフォーム費用の自己負担はありません。騒音に悩む場合は必要な手続きを行い、防音リフォームするのが賢明です。
沿線整備道路の道沿い
沿線整備道路の道沿いも、マンションの防音リフォームで補助金を利用できる可能性があります。
沿線整備道路とは、都道府県知事が指定する特に交通量の多い道路のことです。車の通行で生じる騒音を抑えるために防音リフォームを行う場合、都道府県から補助を受けられます。
たとえば、東京都では環状七号線・環状八号線や中原街道、笹目通りが沿線整備道路に指定されています。条件を満たすと、東京都が審査した工事費の4分の3を補助金として受けられるのです。
沿線整備道路沿いに住宅があるなら、防音リフォームの実施で補助金を受けられるのかを確認しましょう。
基地の近く
基地の近くも、マンションの防音リフォームで補助金を利用できる可能性があります。ここでいう基地とは、自衛隊や在日米軍の飛行場周辺のことです。
たとえば、北関東防衛局に住宅防音工事希望届を提出すると、原則リフォーム費用の全額補助を受けられます。基地の周辺は航空機騒音が大きいため、防音リフォームは健康被害の防止または軽減が目的です。
もし、基地の近くに住宅があり航空機の音が騒音と感じるなら、補助金を活用して防音リフォームを実施しましょう。
マンションの防音リフォーム事例






天井に100インチのスクリーンを埋め込みシアタールームを実現した事例です。一般的な間取りの2LDK住宅をライフスタイルに合わせるために、リフォームを実施しました。
大画面のシアターを作るために防音壁を設置。キッチンスペースとの境にある遮光カーテンを閉めると暗室になる仕様です。日中は自然光が豊富に入り、趣味の読書も快適にできる環境も整えられています。
マンションの防音リフォームを実施する際の注意点
ここからは、マンションの防音リフォームを実施する際の注意点を、3つにまとめて紹介します。
マンションの管理規約を確認する
マンションの管理規約を確認することは、防音リフォームを実施する際の注意点の1つです。マンションの場合は、管理規約で禁止されているリフォームはできません。
管理規約とは、マンションを適切に管理して、居住者が快適に暮らせるように定められたルールのことです。管理規約には、リフォームが可能な場所や内容が記載されています。
万が一管理規約に違反すると、勧告や罰則が科される可能性があります。のちにトラブルが生じないように、マンションで防音リフォームを実施する前に必ず管理規約の確認は欠かせません。
管理組合へリフォームの申請を行う
管理組合へリフォームの申請を行うことも、マンションの防音リフォームを実施する際の注意点の1つです。管理組合へ申請を行い、リフォーム実施の承認を受ける必要があります。
マンションの管理規約を確認し、防音リフォームができることを確認して終わりではありません。管理組合がリフォーム内容を精査し、問題がないか判断するのです。
そのため、工事申請書や設計図、工程表など必要書類を準備して、管理組合へ申請を行うことが必要です。
近隣住民にリフォームを周知する
近隣住民にリフォームを周知することも、マンションの防音リフォームを実施する際の注意点の1つです。防音リフォームでは、騒音や振動が生じます。
とくに、下階や両隣にはリフォーム時に出る音は伝わりやすいです。リフォームの周知をしなければ、のちにトラブルとなりかねません。
リフォーム前に工期や業者の出入りを近隣住民に伝えて、了解を得る必要があります。下階や両隣には迷惑がかかることは避けられないため、直接ご挨拶に伺うことも検討しましょう。
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マンションの防音リフォームならリノベーションハイムにご相談ください。リノベーションハイムなら、防音したい生活音に適したリフォームプランをご提案します。
話し声やペットの鳴き声はもちろん、ピアノといった楽器の音も外へ伝わりにくいようなrフォームプランを立てます。洗濯機や掃除機のような空気伝播音と固体伝播音が交じり合った生活音への対応も可能です。
マンションの近隣住民とトラブルにならないよう、防音リフォームを検討中ならリノベーションハイムにご相談ください。
まとめ
本記事では、マンションの防音リフォームにかかる費用を、騒音基準や音の種類を交えて紹介しました。
マンションは数多くの世帯が住んでおり、音の許容範囲がそれぞれ異なるため、騒音トラブルが生じやすいです。防音リフォームを実施するなら、気になる生活音の種類を把握して、適切な工事をすることが欠かせません。
加えて、マンションの防音リフォームでは近隣住民への周知や管理規約の確認をする必要があります。注意すべき点を事前に把握し、後悔のないリフォームを行いましょう。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。