中古住宅のリフォームは、住宅購入や注文住宅を建てるよりも、費用を抑えながら新築同然の住まいにできることから注目されています。しかし、物件によって築年数や建物の状態が異なるため、費用や流れ、注意すべき点の予測がしにくいことが特徴です。
注意すべき点やリフォームの流れ、費用相場などを知っておかないと、後悔してしまうことも珍しくありません。そのため、これから中古住宅のリフォームを検討している方は、リフォームにおける知識を身につけておくことが重要です。
そこで本記事では、中古住宅のリフォームのメリット・デメリットや費用相場、利用できる制度、費用を抑えるコツ、流れなど詳しく解説していきます。中古住宅をリフォームする際の参考にしてください。
中古住宅をリフォームするメリット・デメリット
中古住宅をリフォームするメリット・デメリットは以下のようなことが挙げられます。
メリット | デメリット |
---|---|
・新築よりも価格が安い ・物件の選択肢が増える ・完成後のイメージがしやすい | ・新築と比べて想定外の補修工事が発生しやすい ・住宅性能が劣化している恐れがある ・物件によって間取りの自由度が低い ・入居まで時間がかかる ・ローンの条件が厳しい |
中古住宅のリフォームは新築よりも価格を抑えることができます。そして、完成後のイメージがしやすいことがメリットです。
ただ、築年数が経っている物件の場合は想定外の補修工事が発生しやすかったり、住宅性能が劣化している恐れがあります。実施する工事が増える程費用が高くなるので、物件選びには注意が必要です。
中古住宅をリフォームするデメリットに関して、こちらで詳しく解説しています。気になる方は参考にしてみてください。
中古住宅のリフォーム費用相場
中古住宅のリフォームは築年数や物件の状態によって大きく費用が異なります。部分的なリフォームの場合は500万円前後、全面的にリフォームする場合は1,000万円以上が目安です。
また、中古住宅のリフォームで発生する費用は、リフォーム費用のみではありません。他にも、物件購入費の10~20%の諸経費が発生します。予想外の出費が発生し、予算オーバーという事態にならないようにゆとりのある資金計画を立てましょう。
なお、住宅性能を上げるために、断熱リフォームをしようと検討している方もいるでしょう。断熱リフォームや必要な費用に関して、こちらで詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
中古住宅のリフォームで利用できる2つのローン
中古住宅のリフォームで利用できるローンには、住宅ローンとリフォームローンがあります。2つの違いを以下の表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
項目 | リフォームローン | 住宅ローン |
---|---|---|
利用目的 | 既存住宅の改修や修繕 | 新築や住宅敷地の購入 |
担保設定 | 無担保型、有担保型両方あり | 必要 |
初期費用 | 不要(必要なものもある) | 必要(抵当権設定費用など) |
審査 | 最短数日 | 事前審査:即日~1週間 本審査:1~2習慣 |
借入限度額 | 10万円~1,000万円 | 30万円~2億円 |
金利 | 2~5% | 0.5~2.5% |
借入期間 | 1年以上15年以内 | 最長35年 |
団体信用生命保険 | 商品によって異なる | 加入必須 |
※金融機関や商品によって異なる |
中古住宅のリフォームは新築より安価ではあるものの、決して安い金額ではありません。そのため、中古住宅をリフォームする際にローンを組む人が増えています。
ローンは、商品によって条件や優遇制度があります。また、人によって適したローンが異なるため注意しましょう。
中古住宅のリフォームでローンを利用しようと考えている方は、こちらで詳しく解説しています。参考にしてみてください。
中古住宅のリフォームで利用できる制度
中古住宅のリフォームでは、一定の条件を満たすと、減税制度や補助金制度が利用できます。利用できる制度には以下のようなものがあります。
- こどもエコ住まい支援事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム補助金:上限250万円
- 住宅借入金等特別控除
- フラット35リノベ金利優遇制度
- グリーン住宅ポイント制度
- 地震保険料の割引制度
- 断熱リフォーム支援事業:上限120万円
- 住宅エコリフォーム推進事業:上限35万円
- 次世代省エネ建材支援事業【次世代建材】:上限400万円
- 所得税控除
- 固定資産税の減税
補助金制度の対象となるのは、耐震や省エネルギー、バリアフリーなどを目的としたリフォームです。補助金はリフォーム着工前の申請が基本なので、申請漏れがないよう注意してください。
上記以外にも自治体独自の制度が多数あります。制度は年度によって内容や適用要件が変わるため、こまめにチェックしておきましょう。
中古住宅のリフォーム費用を抑える4つのコツ
中古住宅のリフォーム費用は、本体や材料の価格、工事内容によって変わります。リフォームを検討している人の中には、費用を抑えたいという方もいるでしょう。
そこで、中古住宅のリフォーム費用を抑えるコツを以下4つ紹介します。
着工後、修繕が必要な箇所が見つかり、追加費用が発生する恐れもあります。そのため、リフォームプランを立てる際は、想定外の費用が発生することも考慮しておきましょう。
①築浅の中古住宅を購入する
築浅の中古物件は住宅設備の劣化がほとんどなく、最低限のリフォームで済むことが多いため、リフォーム費用の節約につながります。築浅であれば、耐震工事や断熱工事が必要ないケースが多いことも費用を抑えられる理由のひとつです。
ただし、築年数が浅い物件は新築と価格があまり変わらないため、購入費用が高くなります。築年数が経っている物件をリフォームした場合の費用と、築浅の物件を購入した場合の費用を比べ、どちらか選ぶと良いでしょう。
②ライフスタイルや家族に合った物件を選ぶ
現在と将来のライフスタイルを見据えて使いやすいか、家族の人数に合った広さなのかを考慮し、物件を選びましょう。
合っていない場合、部屋数を増減させるリフォームやトイレの数など、リフォーム費用がかさんでしまいます。リフォーム費用を抑えるためにも、家族のライフスタイルに合っているか話し合い、物件を選ぶことが大切です。
③大規模な工事を避け、内装や設備の変更で対応する
リフォーム費用を抑えたい場合は、水回りの位置を変えるなどの大規模な工事を避け、内装や設備の変更を行うと良いでしょう。キッチンやお風呂などの水回りを移動させると、給排水管やガス管、排気ダクトなどを移動させる費用が発生します。
移動させる工事は手間がかかり、職人の技術も必要なので、高額になるケースも少なくありません。そのため、費用を抑える場合はなるべく水回りの位置は変えず、小規模な工事で対応しましょう。
④予算に収まる設備や素材を取り入れる
リフォーム費用を抑えたい場合、使用する素材や設備のグレードを下げることも検討しましょう。リフォーム範囲が広い工事は、㎡単価を落とすだけで、かなりの費用削減につながります。
最近では、各メーカーでさまざまなグレードの商品が展開されており、グレードを下げても使いやすい商品が多数あります。使用する素材や設備にこだわりがなければ、十分費用を抑えられるでしょう。
どこを優先的にリフォームしたいのか、優先順位を付けてリフォームプランを立ててみてください。
なお、下の記事では中古住宅のリフォームにおける失敗例を紹介しています。後悔しないリフォームをするためにもぜひ参考にしてください。
中古住宅をリフォームする際の注意点
中古住宅のリフォームは費用を抑えつつ、新築同様の住まいを実現できます。しかし、想像しているようなリフォームができない場合もあります。そのため、以下のことを把握しておくことが大切です。
- ①リフォームの自由度が低い構造がある
- ②業者によってはリフォームに対応していない物件もある
- ③急いで引っ越さないといけない場合は不向き
- ④リフォームの自由度に限界がある
- ⑤再建築不可物件に注意
中古住宅の状態や構造、周りの環境によってリフォームプランが異なるため、上記のような注意点を把握しておくことが大切です。素人だけでは判断が難しいこともあるため、後悔しないためにも、リフォーム会社と相談しながら進めていきましょう。
中古住宅をリフォームする際の注意点に関して、こちらで詳しく解説しているので、中古住宅のリフォームを検討している方は参考にしてみてください。
中古住宅を購入してリフォームする際の流れ
ここでは、中古住宅を購入してリフォームする際の流れを紹介します。大まかな流れは以下の通りです。
- 中古住宅を選ぶ
- リフォームの見積もりを依頼し、施工会社を決める
- お金を準備する(住宅ローンを利用する場合は仮審査を行う)
- 売買契約とリフォームの契約を行う
- 住宅ローンの本審査とリフォームプランを決める
- 物件の決済・引渡し
- リフォーム工事開始
中古住宅を購入してリフォームする際は、会社選びやお金の準備など同時に進めるべきことが多くあります。事前に流れを理解していないと、あとで想定外の出来事に悩んでしまうこともあるため注意が必要です。
中古住宅を購入してリフォームする際の流れは下の記事で詳しく解説しているため、あわせて参考にしてみてください。
中古住宅のリフォームはリノベーションハイムにおまかせください
中古住宅をリフォームするなら、リノベーションハイムにおまかせください。リノベーションハイムには、過去に豊富なリフォーム実績があり、中古住宅のリフォームも数多く手掛けています。
豊富な知識と過去の経験から、1人ひとりに合ったリフォームプランをご提案します。また、補助金制度や減税制度など、使える制度や気を付けるべきことに関しても丁寧に教えてもらえるため安心です。
現在、無料相談も実施しているので、興味ある方はぜひ一度お問い合わせください。
リノベーションハイムの施工事例
最後に、リノベーションハイムの施工事例を以下3つピックアップし、紹介します。
下記で、画像と共に紹介するので、中古住宅のリフォームプランを考える際の参考にしてみてください。
①【横浜市・3,000万円】
こちらは、築30年の中古住宅をリフォームした事例です。5人家族の新しい暮らしに向けて、住まいのスタイルを和風からモダンへと一新しました。
L・DKの分離型から約22畳の一体型LDKに変更し、住まいの中心になっています。木の素材感を生かした空間にアクセントウォールをプラスし、3世代が心地良く過ごせる空間に仕上がっています。
北側のキッチンにはトップライトが設置され、明るく清潔感のある空間が広がっているのが魅力的です。LDKは天井まわりやTVボード下に間接照明を仕込み、空間が立体的にライティングされ、広く感じられます。
②【神奈川県・1,790万円】
こちらは、築80年の中古住宅をリフォームした事例です。過去に増改築を数回繰り返していて、今回は、ダイニングキッチンや水回りを中心にリフォームしています。他にも、防犯面で不安を感じていた玄関ドアの交換や耐震性を考慮し、屋根を軽量瓦にふき替えています。
ダイニングキッチンは、和室、廊下、洋室の一部をつなげ、明るく開放感たっぷりのLDKに仕上がっています。さらに、LDKにウッドデッキをつなげ、部屋の広がりも演出されています。
広縁の窓には断熱性に優れているサッシとペアガラスが採用されているのもポイントです。夏は涼しく、冬は暖かい空間で過ごせます。
③【埼玉県・3,600万円】
こちらは築33年の中古住宅をリフォームした事例です。二世帯仕様で間取りのムダが多く、ライフスタイルに合っていないなどの不満を持っていました。さらに、設備や配管などの老朽化も進んでおり、断熱性能の向上も目的としたリフォームが行われています。
たくさんのゲストを招いてホームパーティを催す機会も多いとのことで、大きなキッチンとゲストが寛げるゆとりのあるリビングが設けられています。大空間のLDKには、小上がりの掘りごたつコーナーやサニタリーを隣接させるなどの工夫が施されているのがポイントです。
また、2階は家族のプライベートスペースとして、サニタリーやバスルームなどを効率的にプランニングされています。機能性と優美さも両立した空間が魅力です。
他の事例を知りたい方は、こちらでたくさんの事例を紹介しているので、参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、中古住宅のリフォームのメリット・デメリットや費用相場、利用できる制度、費用を抑えるコツ、流れなど詳しく解説しました。
中古住宅のリフォームは新築を建てるよりも安く、新築同然の住まいにできるメリットがあります。補助金制度や減税制度を活用すれば、よりお得にリフォームできるため、ぜひ活用してみましょう。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。